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国内線4階の展望デッキは今年夏完成予定 福岡国際空港
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20年度の設備投資額は約150億円
4月1日で空港の一体運営から2年目を迎えた福岡国際空港㈱(永竿哲哉社長)は3月30日、2020(令和3)年度の事業計画を発表した。中国・武漢を発生源とする新型コロナウイルスの感染拡大で空港利用者が国内線、国際線ともに大幅減となるものの、23年度までの5ヵ年計画に各事業は継続して取り組む方針は変わらないとしている。
民営化初年度となる19年度は、旅客数が昨年4月から2月までで国内線で前年同期比2・4%増の1万6701人、国際線は13・8%減の54万1600人。国内線は各月で前年度実績を上回って推移したものの、国際線は8月以降、韓国路線の利用客が大幅減となった。また、3月の見通しは、新型コロナウイルス感染拡大が国内線、国際線ともに影響、国内線で前年同月比約50%減の82万7000人、国際線では同約90%減の6万8000人と激減した。永竿社長は「韓国路線の落ち込みに加え、コロナウイルス関連で国際線は大幅減、国内線も大きな影響を受けている」と厳しい現状を説明しながらも、「回復時に素早く動けるようしっかり準備を進める必要はある」とし、スタートから2年目となる事業計画に掲げた各事業に取り組む方針を明らかにした。20年度の主な事業計画は①国際線ネットワークの拡充②利便性の向上③エアポートシティの実現④安全・保安の強化の4分野。国際線ネットワークの拡充では、3月29日からスタートする夏ダイヤから発着枠数が1時間あたり35回から38回に増枠することを踏まえ、増枠総数に対して約5倍の就航リクエストがある中国の未就航都市、東南アジアからの路線誘致に取り組むほか、新規就航エアラインに対する新料金体系なども導入する。利便性向上では、国内線ターミナル4階の展望デッキや店舗、ビアテラスなどを夏までに完成させるほか、国際線の出発時間短縮を目的にインラインスクリーニングの導入や自動チェックイン機、自動手荷物預かり機の導入を進める。また、エアポートシティの実現は、国内線地区の複合施設、国際線地区のバスターミナルやホテルの設計を本格化させるほか、両地区の駐車場拡張工事に着手する。安全・保安強化では、空港運営に必要な情報を一元管理するオペレーションセンターの運用などを進めていきたいとしている。20年度の設備投資額は約150億円。内訳は国内線の立体駐車場や複合施設の設計、国際線の立体駐車場やターミナルビルの増築、国内線と国際線を結ぶ内際連絡道路の整備に約120億円、基本施設の維持管理費などに約30億円。財務指標は売上高にあたる営業収益が525億円(うち空港運営事業は110億円)、運営権の償却費用を含む営業費用は507億円で営業利益は18億円。当期純利益で60億円、親会社株主に帰属する当期純利益は61億円のそれぞれ赤字を計上している。
永竿社長は、民営化初年度となった19年度について「1月末に国内線ターミナル地区の整備が終了し、航空会社や地域の皆さまとも良い関係を築くことができた」としながらも、「コロナの影響などで利用客減の厳しい状況に直面しているが、将来の成長を見据えた事業運営に取り組んでいきたい」と話した。
民営化初年度となる19年度は、旅客数が昨年4月から2月までで国内線で前年同期比2・4%増の1万6701人、国際線は13・8%減の54万1600人。国内線は各月で前年度実績を上回って推移したものの、国際線は8月以降、韓国路線の利用客が大幅減となった。また、3月の見通しは、新型コロナウイルス感染拡大が国内線、国際線ともに影響、国内線で前年同月比約50%減の82万7000人、国際線では同約90%減の6万8000人と激減した。永竿社長は「韓国路線の落ち込みに加え、コロナウイルス関連で国際線は大幅減、国内線も大きな影響を受けている」と厳しい現状を説明しながらも、「回復時に素早く動けるようしっかり準備を進める必要はある」とし、スタートから2年目となる事業計画に掲げた各事業に取り組む方針を明らかにした。20年度の主な事業計画は①国際線ネットワークの拡充②利便性の向上③エアポートシティの実現④安全・保安の強化の4分野。国際線ネットワークの拡充では、3月29日からスタートする夏ダイヤから発着枠数が1時間あたり35回から38回に増枠することを踏まえ、増枠総数に対して約5倍の就航リクエストがある中国の未就航都市、東南アジアからの路線誘致に取り組むほか、新規就航エアラインに対する新料金体系なども導入する。利便性向上では、国内線ターミナル4階の展望デッキや店舗、ビアテラスなどを夏までに完成させるほか、国際線の出発時間短縮を目的にインラインスクリーニングの導入や自動チェックイン機、自動手荷物預かり機の導入を進める。また、エアポートシティの実現は、国内線地区の複合施設、国際線地区のバスターミナルやホテルの設計を本格化させるほか、両地区の駐車場拡張工事に着手する。安全・保安強化では、空港運営に必要な情報を一元管理するオペレーションセンターの運用などを進めていきたいとしている。20年度の設備投資額は約150億円。内訳は国内線の立体駐車場や複合施設の設計、国際線の立体駐車場やターミナルビルの増築、国内線と国際線を結ぶ内際連絡道路の整備に約120億円、基本施設の維持管理費などに約30億円。財務指標は売上高にあたる営業収益が525億円(うち空港運営事業は110億円)、運営権の償却費用を含む営業費用は507億円で営業利益は18億円。当期純利益で60億円、親会社株主に帰属する当期純利益は61億円のそれぞれ赤字を計上している。
永竿社長は、民営化初年度となった19年度について「1月末に国内線ターミナル地区の整備が終了し、航空会社や地域の皆さまとも良い関係を築くことができた」としながらも、「コロナの影響などで利用客減の厳しい状況に直面しているが、将来の成長を見据えた事業運営に取り組んでいきたい」と話した。
新たに空港使用料の割引制度を導入
同社は、新年度から航空各社の新規就航路線拡大を目的に、新たに空港使用料の割引制度を導入するほか、各社が就航を容易に判断できるよう使用料を予見しやすい料金体系の変更や、低騒音機の導入を促進する割引制度などを導入、将来目標として掲げる旅客数3500万人(うち国際線1600万人)、100路線(同67路線)の実現を目指す。
空港使用料の割引や新たな料金体系の導入は、民間による空港運営の象徴的な取り組みと位置付けられており、昨年4月1日の事業開始以降、路線距離や就航回数に合わせて使用料を割り引くプランの構築を進めてきた。新設された割引制度では、国際線で東南アジア、もしくは5000キロ以上の長距離路線を新たに就航する際、空港使用料を最長3年間は無料にするほか、それ以外の新規路線では1年目は無料、2年目は75%、3年目は50%まで割り引く制度を採用するほか、デイリー運航(毎日運航)化の際には増便分を最長3年間の割引制度(1年目75%、2年目50%、3年目は40%それぞれ割引)などを新たに導入する。一方、国内線では新規路線かつデイリー運航に対し、3年間の割引制度(1年目75%、2年目50%、3年目40%それぞれ割引)を適用するという。また、低騒音機の導入については、着陸料に占める騒音割合を現行の2割から3割に引き上げるほか、ボーイング787やエアバスA350
空港使用料の割引や新たな料金体系の導入は、民間による空港運営の象徴的な取り組みと位置付けられており、昨年4月1日の事業開始以降、路線距離や就航回数に合わせて使用料を割り引くプランの構築を進めてきた。新設された割引制度では、国際線で東南アジア、もしくは5000キロ以上の長距離路線を新たに就航する際、空港使用料を最長3年間は無料にするほか、それ以外の新規路線では1年目は無料、2年目は75%、3年目は50%まで割り引く制度を採用するほか、デイリー運航(毎日運航)化の際には増便分を最長3年間の割引制度(1年目75%、2年目50%、3年目は40%それぞれ割引)などを新たに導入する。一方、国内線では新規路線かつデイリー運航に対し、3年間の割引制度(1年目75%、2年目50%、3年目40%それぞれ割引)を適用するという。また、低騒音機の導入については、着陸料に占める騒音割合を現行の2割から3割に引き上げるほか、ボーイング787やエアバスA350
など大型の低騒音機に対し、1便あたり1万円を着陸料から割り引き、低騒音機の導入を促進するほか、夜間・早朝時間帯(午後10時~午前7時)の離着陸便に対しては、着陸料を通常の3倍徴収し、空港周辺の騒音軽減を目指す。
また、就航判断を容易にする料金体系では、総括按分方式でエアライン各社の支払額が決定するビル施設使用料から1便ごとに料金が決まる便単価制度に変更する。新規の長距離路線を対象に使用料を3年間無料にする制度の導入は全国で初めて。
また、就航判断を容易にする料金体系では、総括按分方式でエアライン各社の支払額が決定するビル施設使用料から1便ごとに料金が決まる便単価制度に変更する。新規の長距離路線を対象に使用料を3年間無料にする制度の導入は全国で初めて。
2020年4月7日発行