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唐津市の2MWの風力発電所運転開始 自然電力


プロジェクトファイナンスで6億円調達

自然エネルギー発電開発の自然電力㈱(福岡市中央区荒戸1丁目、磯野謙社長)は2月3日、約8億円を投じ2017年2月に着工した唐津市湊町の風力発電所の商業運転を開始した。

同事業は同社が参画する「唐津市再生可能エネルギー促進による農山漁村活性化協議会」(会長・北野雅治九州大学教授)において、再生可能エネルギー電気の発電を通じ農山漁村の活性化を目指し事業化するもので、「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」を適用した佐賀県初の案件となる。

発電所は唐津市内の農地に出力約2メガワットの風力発電機を1基建設。年間発電量は一般家庭約1100世帯の年間使用電力量に相当する約350万キロワット時を見込んでおり、発電した電力は九州電力に売電するほか、自社の「自然電力のでんき」にも電気を供給し販売することも検討。また売電収益の1%を地域農業の保全や地域の将来を見据えた農業活動の支援に還元する。

同社ではこの計画に際し、建設資金に関するプロジェクトファイナンス契約を、東京スター銀行をアレンジャーに、同行と佐賀銀行、豊和銀行によるシンジケート団と締結し、3行から約6億円、さらに「地域低炭素投資促進ファンド事業」の基金設置法人に選定され、一般社団法人グリーンファイナンス推進機構から約1億円を調達している。

同社では「今後も様々なファイナンス手法を活用し、自治体や地元企業と連携しながら地域に根差した太陽光・風力・小水力発電事業に積極的に取り組み、国内外の再生可能エネルギーの普及と持続可能な社会の構築を目指す」としている。

2018年2月20日発行