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収益とも2ケタ台の伸びで売上高は329億円 リックス第3四半期


週刊経済2023年2月28日発行

経常は27・6%増の26・9億円

福岡市博多区山王1丁目の機械商社・リックス㈱(安井卓社長)の2022年4~12月期連結決算は、売上高が前期比10・7%増の329億6100万円、経常利益が同27・6%増の26億9600万円となり、収益とも2ケタ台の伸びで増収増益だった。
営業利益は同27・8%増の23億3200万円、純利益は同28・8%増の18億5千万円だった。主要取引業界別の売上高では、鉄鋼業界向けの売上高が同5・3%増の89億2800万円。整備部門だけでなく操業部門への営業活動に努めた結果、国内製鉄所統廃合に伴う現有設備解体を目的とした仮設水処理設備の設置及び同設備の運用対応や、製鉄所構外で対応していた加工品の内製化に伴う加工機の販売、安全対策を目的とした既存ラインへの侵入防止柵の売上増加が見られた。
自動車業界向けの売上高は、同13・5%増の66億3100万円。CASE市場で注目されている電池やモーター分野への営業・提案活動に注力した結果、国内及び北米、中国のモーター、電池製造工程の能力増強案件の受注や機械加工工程での電気部品修理が売上増に寄与した。電子・半導体業界向けの売上高は、同16・4%増の49億4200万円。設備・保全部門に対する営業活動に努めた結果、半導体前工程工場の装置部品の修理・再生案件が増加。また、活況な半導体製造装置メーカー向けにオリジナル品のロータリージョイント類の販売が増加した。
ゴム・タイヤ業界向けの売上高は、同20・1%増の24億7600万円。前期に続き開発案件のフォローや新規案件、設備投資に関する営業活動に注力した結果、タイヤ加硫工程向けのブラスト洗浄装置の販売や原動設備向けコンプレッサーの販売、水処理装置の販売などが販売増に寄与した。工作機械業界向けの売上高は、同32・1%増の18億2千万円。工作機械の複合化、自動化の要求に対し営業、開発に努めた結果、オリジナル品のロータリージョイントや浮上油回収機の売り上げが継続して増加した。
高機能材業界向けでは医療・化粧品分野の開拓に加え、フィルター販売にも注力した結果、フィルター類やシール類の販売が好調だったことに加え、既存設備の改造案件などで売り上げが増加。売上高は、同21・9%増の15億4300万円となった。環境業界向けでは近年重要視されている環境産業・エネルギー産業への深耕に努めた結果、中・上水施設向けの設備・工事案件の受注や排ガス処理設備向けバルブの販売などが売上増に貢献。売上高は、同2%増の15億9800万円となった。
紙パルプ業界向けでは最先端のバイオマス素材のCNF分野やケミカル素材分野、エネルギー分野への商材開発に注力した結果、前期に続きチラーユニットのレンタルや調薬設備向けポンプの受注などで売り上げを伸ばしたものの、ポンプの更新案件の減少などの影響を受けた。売上高は、同14・9%減の5億7700万円だった。

通期業績と配当予想を上方修正

また、同社は11月10日の中間決算時に続き、通期の業績予想を上方修正し、配当予想についても修正した。
円高進行に伴う為替差損が発生したものの、主に自動車、半導体、ゴム・タイヤ、工作機械のゼングメントで受注・販売が好調に推移したため、計画値を上回り、さらに第4四半期についても計画値を上回ることが見込まれるため。連結売上高は中間期時の予想を5億円上回る前期比11・1%増の444億円に上方修正。経常利益は1億5千万円上回る同17・2%増の35億円、営業利益は2億円上る同22・1%増の31億5千万円、純利益は1億5千万円上回る同17%増の24億円に修正した。これに伴い、期末普通配当についても予定を10円増額して70円に修正。中間配当を合わせた年間配当は、前期実績を55円上回る120円を見込んでいる。