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収益とも2けた台の伸びで増収増益に   第一交通産業    不動産分譲事業が牽引


 第一交通産業株式会社(北九州市小倉北区馬借2丁目、田中亮一郎社長)の2012年3月期連結決算は、売上高が前年比12・5%増の834億22百万円、経常利益が同37・3%増の41億25百万円の増収増益となり、収益とも2けた台の伸びとなった。
 営業利益は同29・8%増の45億70百万円。当期純利益は固定資産の減損処理に伴う特別損失などを計上したものの、特別利益として厚生年金基金代行返上益59億96百万円を計上した結果、同約2・77倍の43億46百万円となった。
 主力のタクシー事業の売上高は同8・1%増の510億53百万円。セグメント利益は新規買収に伴うのれん代の償却、一部子会社が加盟する総合型厚生年金基金の退職給付費用の負担に加えて燃料価格が高騰したものの、営業所の統廃合や経費削減に取り組み、同0・6%増の18億91百万円となった。12年3月末のタクシー認可台数は6992台。需給調整のため減車・休車を進めたものの、全国各地のタクシー会社からの事業譲受などで百台が増加した。
 不動産分譲事業では、マンションの売上高が駅前好立地の新規販売のほか、完成引渡し物件の順調な販売と前期に続き完成在庫の販売に注力した結果、同60%増の137億17百万円と好調に推移。一方の戸建住宅では、子会社の第一ホーム株式会社が低価格の土地付住宅を北九州・福岡両都市圏で積極展開。売上高は同約3・12倍の29億89百万円と大きく伸びた。不動産分譲事業全体の売上高は同39・1%増の178億02百万円。前期は1億70百万円のセグメント損失を出したが、9億38百万円の同利益を計上した。不動産賃貸事業では飲食ビルを中心に店舗の退却があったものの、オフィスの入居率改善に伴う増加などで、売上高は同0・8%増の28億13百万円。同利益は同0・7%増の13億47百万円となった。
 バス事業の売上高は3・7%減の67億54百万円。利益面では燃料高止まりのなかで経費削減に取り組んだものの、36百万円のセグメント損失を計上した。金融事業では不動産再生事業が順調に推移し、売上高は同25%増の32億43百万円で、同利益は同29・6%増の2億18百万円。その他の事業の売上高は同0・9%減の17億54百万円で、同利益は同8・4%増の2億40百万円となった。
 今期の見込みは、売上高が前期比6・7%増の890億円、経常利益が同33・3%増の55億円。営業利益は同31・3%増の60億円、当期純利益は同42・2%減の25億10百万円を見込んでいる。