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博多阪急の概要発表、初年度売上高370億円見込む  エイチ・ツー・オーリテイリング    50歳前後と20代の女性をメーンターゲットに


 エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社(大阪市北区角田町、椙岡=すぎおか=俊一代表取締役会長兼CEO)は11月10日に、傘下の株式会社阪急阪神百貨店(同、新田信昭社長)が来年3月に新博多駅ビル「JR博多シティ」に出店する「博多阪急」の概要を発表した。会見には椙岡会長と博多阪急店長に就任する柳澤興平阪急阪神百貨店取締役専務執行役員、荒木直也同取締役執行役員が出席した。
 博多阪急は、JR博多シティの博多郵便局側の地下1階から地上8階フロアに出店し、営業面積は4万2千平方m。総投資額は2百億円で、初年度売上高370億円を見込む。「楽しいから来た。親切だから買った。博多阪急は、暮らしの学校」をコンセプトに、若々しく消費に積極的な50歳前後の女性と旬のおしゃれを楽しむ20代の働く女性をメーンターゲットに設定。その家族の来店も見込む。福岡市内(人口約140万人)を一次商圏、電車で1時間以内の半径30キロ圏内の都市圏(人口約240万人)を二次商圏、九州全域、山口県を戦略商圏と想定している。同日からポイントカードとクレジットカード会員の募集を開始し、開業前までに20万人の獲得を目標にしている。
 フロア構成は地下1階が食料品売場、1階がウェルカムホール、ラグジュアリーブティック、化粧品、服飾雑貨など、2階が婦人服、婦人服飾雑貨、中3階が婦人雑貨、カフェ、3階が婦人服、婦人服飾雑貨など、4階が婦人服、婦人靴、ハンドバッグ、カフェ、5階が婦人服、レストラン、6階が紳士服、紳士服飾雑貨、ゴルフ用品、トラベル、カフェ、7階がベビー・子ども服、子ども雑貨、玩具、リビング用品、文具、進物、8階が催場、スポーツ、フードコート、婦人服、婦人靴、リサイクルショップなど。
 各世代のニーズに応じた売場展開を図っており、2階、中3階、3階は「HAKATASISTERS」と題してヤング女性向けの服、化粧品、服飾雑貨を展開する。4階はオフィス街という立地を踏まえ、「OL御用達ワールド」として「スーツ」「ジャケット」「ジャケットレス」の3つを基軸に通勤服を充実させる。5階は従来の百貨店では手薄となっていた50歳前後の女性向けの普段着ファッションを充実させ、サイズも幅広く取り扱う。いずれも各世代に応じた値ごろ感のある価格帯の商品を揃える。唯一の男性向けフロアとなる6階は、「すてきなご主人メイキング」をテーマに男性本人だけでなく、女性が見立てやすい商品構成、売場づくりを重視した。8階は元気なシニア世代向けにファッションから化粧品、雑貨、靴を取り扱う。
 またミニイベントスペース「コトコトステージ」を店内20カ所に設け、食品売場ではクッキング教室や食のセミナー、ベビー・子ども服売場ではベビーマッサージ、シニアフロアでは趣味の作品展示など各売場にあったイベントを企画し、顧客とのコミュニケーションを図る。このほかにも催場・イベントスペースを17カ所設ける予定で、発見や体験といった「コト」の充実、変化のある百貨店像を目指している。
 椙岡会長は「従来の百貨店のままでは値下げ競争に行き着く。博多阪急は「モノ」を売るだけでなく、ワクワクしたりドキドキしたりと楽しんでもらえる「コト」を増やしている。私たちにはターミナル型百貨店のノウハウもあり、鮮度の高い情報を発信するノウハウもある。おしゃれで楽しい阪急らしさを出した店にしていきたい」と話している。展開ブランドなど詳細は来年1月末に発表する予定。