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博多コネクティッド始動による周辺再開発動向 三幸エステート中村支店長
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筑紫口側で大型再開発の機運高まる
福岡市が発表した大規模再開発事業「博多コネクティッド」の始動によって周辺エリアの再開発はどのように進むか。オフィス賃貸仲介の三幸エステート㈱福岡支店(福岡市博多区博多駅前1丁目)の中村龍治支店長にインタビューした。
―博多駅周辺エリアにはどのようなビルが多いか。
中村 博多駅周辺の大型ビルの7、8割が東海道・山陽新幹線が博多駅まで開通した時期に建てられたビル。特に博多口側は東京の大手デベロッパー、生命保険会社や新聞社などが新幹線開通時期に建てられた大型オフィスビルが多数を占め、これらのビルの更新期が迫ってきていることも大規模開発の後押しになると見込んでいる。
―博多口側と筑紫口側の再開発の動きの展望は。
中村 博多口側のビルは大型の街区に対して所有者が単体というケースが多く、大きな開発をする場合、意思決定や調整が早く進めやすいと分析している。
一方、筑紫口側は街区に対し中小ビルオーナー及び個人の地権者ということが多く、意思決定や調整に博多口よりも時間がかかる可能性もあるのでは。福岡市の開発の中でも筑紫口側はこれまであまり大型開発がなされてこなかったエリアでもあり、機運がこれから高まってくると予測している。
―博多駅周辺の今後のオフィス需要の展望についてどのように見ているか。
中村 天神エリア同様、博多駅前エリアでもオフィスの空室率は1・8%(19年9月時点、三幸エステート福岡支店調べ)と高い需要に応えられていない現状。新幹線や福岡空港から近い位置にあり、今後、七隈線の乗り入れや長崎新幹線の開業など、九州の玄関口として、よりアクセス面にも優れたコンパクトシティに姿を変える。その上で、東京に並ぶ最先端のハイスペックビルが建設されれば、首都圏の企業を中心に九州における扇の要の拠点として、さらなる高い需要を生むことになるのではないだろうか。
天神であれば世界で活躍するIT企業や、ユニコーン企業などの色が強くなりそうだが、博多であれば、東京本社の大手製造業を中心に進出、拡張を望むケースが増える。東京資本の企業では福岡が成長都市であることについて年々認識が強まっている印象。そうしたことから、今後ますます博多駅周辺のニーズは高くなり、それに伴い、天神・博多の2大都市でお互いの強みを生かした棲み分けがされるのでは。
2019年10月29日発行