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単独市制で町から市に昇格 那珂川市


九州では古賀市以来21年ぶり

那珂川町は10月1日、単独市制により那珂川市(同市西隈1丁目、武末茂喜市長)となった。県内では29番目。単独で町から市に移行したのは九州では1997年の古賀市以来21年ぶりになる。
同日午前8時、業務開始前に市庁舎前で開市式があり、市民や職員ら約300人が参加した。開市宣言で武末市長は「歴史的な日を迎えることができた。晴れてこの日を迎えることができ身の引き締まる思い。市になることは通過点に過ぎない。住民福祉サービスの向上、企業進出誘致、自治体として魅力を発信し、住み続けたいまちを目指して施策を進める」とあいさつ。
続いて髙原隆則那珂川市議会議長が「台風一過の秋晴れのもと議会も新たな幕開け。誠心誠意責務を果たしていく」と来賓祝辞。その後、市役所名板除幕、テープカット、くす玉開きがあった。窓口業務が始まった8時30分には武末市長が第1号の住民票を交付し、受け取った48歳女性は「生まれも育ちも那珂川。市になることは感慨深い。今日発行してもらった住民票は特に使う予定もないが記念に」と笑顔で語った。
また、日本郵便九州支社は同日、市制施行記念フレーム切手を発売。開市式後の贈呈式で市に1部を寄贈した。1シート82円切手10枚入り。那珂川市の春夏秋冬の景色や市の象徴であるシャクナゲ、ヤマモモ、カワセミの写真をあしらっている。そのうち5枚は、市内外68点の応募の中から採用した。記念切手は那珂川市内とその近隣郵便局で販売する。限定2500部で価格は1300円(税込)。なくなり次第終了となる。
前身の那珂川町は1956年、南畑、岩戸、安徳の三村が合併し誕生。当初8948人だった人口は土地区画整理事業などにより大幅に増加。高度経済成長とともに都市基盤の整備や教育環境の充実を図り、84年に人口3万人を突破。90年には全国初の新幹線回送列車の一部を在来線として利用した「JR博多南線」が開業。さらに06年には佐賀県と那珂川町を結ぶ「東背振トンネル」が開通するなど、通勤通学の利便性が各段に向上。15年の国勢調査では市制施行の要件となる人口5万人を突破し、18年8月末現在の人口は5万245人、世帯数は2万638戸。

2018年10月10日発行