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半導体技術者育成へ、「リスキリングセンター」開設 福岡県
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週刊経済2023年9月5日発行号
センター長に黒田東大教授、県中小企業は実質無料
福岡県は8月23日、半導体関連人材の「学び直し」(リスキリング)を目的とした新施設、「福岡半導体リスキリングセンター」を開設した。
九州で加熱する半導体メーカーの巨額投資を背景に、今後の半導体人材の不足を見据えて開設したもの。施設は福岡市早良区百道浜の福岡システムLSI総合開発センター内に設け、センター長には次世代半導体開発の権威、黒田忠弘東京大学大学院工学研究科教授が就いた。講座分野は半導体、電気・電子回路、通信ネットワーク、プログラミング・組込み・IoT、自動車・MBD・モータ制御、画像処理・AI・データサイエンスの6分野で、半導体を「作る側」だけでなく、「使う側」にも着目してカリキュラムを組んだ。講座は対面形式、リモート形式だけでなく、いつでも受講できるeラーニング形式でも提供し、全国から受講者を募る。受講料は1講座当たり約3万円だが、福岡県内の中小企業の従業員は、県の補助制度を活用すれば実質無料で受講できる。
同日にはセンター開設を記念したキックオフフォーラムがホテルニューオータニ博多で開かれ、約300人が集まった。センターの運営を担う福岡県産業・科学振興財団の津田純嗣会長は「リスキリングセンターの開設を機に、県内の半導体・デジタル産業の発展に向けて、他地域より一歩先んじた取り組みをますます加速させていく」と意気込みを示した。また服部誠太郎知事は、「半導体関連の設備投資が加速すると同時に、全国的に半導体人材の不足が顕在化し始めており、専門人材育成は地域にとって急務」とセンターの必要性を強調した。その後、黒田センター長による基調講演とパネルディスカッションが開かれ、黒田センター長は「リスキリングセンターを通じ、10年間で2万5千人の人材育成を目指したい」と目標を掲げた。