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切開・剥離法内視鏡的粘膜切除術で130症例を突破   佐田病院、福大筑紫病院   九州では初


 医療法人佐田厚生会佐田病院(福岡市中央区渡辺通二丁目、佐田正之院長)と福岡大学筑紫病院(筑紫野市大字俗明院、八尾恒良消化器科教授)は今年十月、切開・剥離法内視鏡的粘膜切除術において、両病院合計で百三十症例を突破した。
 この切開・剥離法内視鏡的粘膜切除術は従来の内視鏡での癌摘出手術は原則的に約二センチメートル以内に限られたものであるのに対して、二センチメートル以上のがんや部位的に従来法では難しかったものも切除可能となる。術法については独自に開発されたITナイフという先端に絶縁体をつけた針状のもの、絶縁体なしの針状のもの、直角に折れた針状のものの合計三種類の器具で、針に電気を流しながら切開していく。従来の内視鏡手術に比べて広範囲にわたるがん細胞の摘出が可能になった。
 佐田病院と福岡筑紫病院ではこのITナイフを使った手術で連携体制をとっており、平井郁仁内科医と菊地陽介内科医とで、両病院での切開・剥離法を普及させている。
 佐田院長は「ガン細胞に対しては部位によって、健康な部分まで余分に切除せざるを得なかったが、今回の切開・剥離法では、部位のみに対して手術が施すことができ、患者の回復の可能性も大変高くなる」と話している。
 同病院は一九四〇年十一月開業。診療内容は外科、内科、整形外科、胃腸科、循環器科、呼吸器外科、放射線科、リハビリテーション科、麻酔科。一般病床数は百八十床、スタッフは約二百人。
 佐田院長は福岡市中央区薬院出身、一九五一年七月二十五日生まれの五十二歳、久留米大学医学部卒、趣味はゴルフ 。

2003.11.11 発行 週刊経済より