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冷泉荘が国の有形文化財登録 吉原住宅
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週刊経済2024年12月18日発行号
戦後初期の民間集合住宅で初めて
吉原住宅㈲(福岡市中央区大名2丁目、吉原勝己社長)が管理する「冷泉荘」(同市博多区上川端町)が官報に掲載され、国の有形文化財(建造物)に正式に登録された。
冷泉荘(旧八木アパート)は1958年に建設された鉄筋コンクリート造りの集合住宅。旧博多部に残る戦後復興期の民間集合住宅として貴重であり、地域の歴史的景観に寄与する建築として評価された。1965年に同社所有となり、2006年には「リノベーションミュージアム冷泉荘」として、住戸部分の店舗や事務所、アトリエ利用を開始した。現在も、定期借家契約で貸し出しをしており、20部屋以上に事務所などが入っている。冷泉荘は地上5階地下1階建てで、建築面積は211㎡。外壁はモルタル刷毛引仕上で、B54号室を「当初部屋」と名付け住戸として利用されていた当時の間取りなどを保存している。
吉原社長は「戦後初期の鉄筋コンクリート造りの民間集合住宅では初の登録。築100年まで運営する計画で、古い集合住宅を守り、町の資産にする追い風になったのでは」と話している。
同社は、1965年9月設立。福岡都市圏でオフィスビルや駐車場、賃貸住宅の経営管理、カフェ経営を主要業務とする。