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元副知事の服部氏、大差で初当選 福岡県知事選挙


週刊経済2021年4月20日発行

県職員出身では初、10年ぶりの新知事

小川洋前知事の辞職に伴う福岡県知事選挙は、4月11日に投開票され、無所属新人で自民、立憲民主、公明、社民の各党が推薦する元副知事の服部誠太郎氏(66歳)が元福岡市議で共産党が推薦する無所属新人の星野美恵子氏に約75万票の大差で初当選した。
今回の知事選は、小川前知事の肺腺がん治療の長期化というリーダー不在の中、職務執行代行者を務めていた服部氏が3月3日に出馬表明。一部の自民党国会議員が国土交通省元局長の奥田哲也氏を擁立する動きが見られたが、党内で一本化。立憲民主、公明など各党も推薦し、星野氏との一騎打ちの構図で25日の告示を迎えた。選挙戦は4党の推薦に合わせ、共産党を除く県議会の各会派や農政連、連合福岡などの推薦も受けた服部氏が終盤まで星野氏を大きくリード。県職員出身では憲政史上初、県知事選では10年ぶりの新知事誕生となった。
服部氏は北九州市出身。1954(昭和29)年9月11日生まれの66歳。小倉高校―中央大学法学部卒。77年に県庁に入庁。麻生県政時代の06年に中央官庁出身の定石ポストといわれた財政課長に初めて生え抜きとして就任、09年に総務部次長、10年に福祉労働部長。11年から9年間にわたり、副知事を務めていた。  投開票日の11日に福岡市博多区で開かれた報告会では、午後8時と同時に当選確実が報じられると、会場からは拍手が沸き上がり、コロナ対策を踏まえた万歳三唱、花束贈呈などで初当選の喜びを分かち合った。服部氏は「勝利をつかめたのは、ともに選挙を戦った皆さんのおかげ。いまは“感謝”“責任”“絆”の3つの言葉しかない」と切り出した後、「小川県政のバトンを受け継ぎ、コロナ対策を含む県民のための施策を確実、かつ迅速に実行し、誰もが安心して笑顔で過ごせる福岡県を作っていきたい」と抱負を述べた。投票率は前回選挙を約13ポイント下回る29・61%と知事選では初めて3割台を割り込んだ。開票結果は服部誠太郎氏=99万2255票、星野美恵子氏=23万2465票。