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倒産数23件、3カ月連続で前年下回る 帝国データバンク


福岡県の企業倒産集計(9月)

帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴)がまとめた福岡県の9月の企業倒産件数は前年同月比23・3%減(7件減)の23件と3カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は、同70・2%減の9億1500万円と、2カ月ぶりに前年同月を下回った。負債総額が10億円を下回るのは2018年11月(6億200万円)以来1年10カ月ぶり。  業種別では、小売業(8件、構成比34・8%)が最多。前年同月との比較では、小売業で増加した一方、卸売業(1件、同4・3%)やサービス業(4件、同17・4%)など5業種で減少した。地域別では、福岡地区が前年同月比6・7%減の14件、北九州・筑豊地区が同133・3%増の7件、筑後地区が同33・3%減の2件となった。
福岡県では、新型コロナウイルスの新規感染者数は1日あたり10人以下を下回る少数で推移している。しかし、10月1日から「GoToトラベル」キャンペーンの対象として「東京都民または東京都への旅行」が追加されるため、再び県をまたぐ人の往来が増えれば感染者の増加が懸念される。「新型コロナウイルス関連倒産」は、福岡県内で初確認された4月以降、毎月発生しているものの、全体の倒産件数を押し上げる程ではなく、9月も2件に留まった。秋以降はコロナ融資で経営をつないでいた企業において、資金繰りが厳しくなると懸念されるところも多いと考えられ、今後、冬に向かって感染者の増加が再び外出自粛等を促す要因となれば、飲食店を始はじめとする個人消費の影響を受けやすい企業で倒産件数が増加する可能性がある。特に、小口倒産が主体となっている現状において、コロナ禍による悪影響により財務面が脆弱な小規模企業から淘汰される可能性が高く、一層、小口倒産や廃業が増加すると思われる。

2020年11月3日発行