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倒産数、負債総額ともに2カ月ぶり前年超え 帝国データバンク


小売業中心に倒産増加

福岡県の7月の企業倒産(負債1000万円以上、法的整理のみ)件数は、前年同月比26・1%増(6件増)の29件、負債総額は同約5・8倍の64億4600万円と、ともに2カ月ぶりに増加した。依然として小規模倒産が主体ながら、大型倒産が負債総額を押し上げた。
業種別では、飲食店の倒産が目立った小売業(構成比48・3%)が最多で、09年12月(15件)に次ぐ高水準。運輸・通信業(1件)は2カ月ぶりに発生したが、製造業は3カ月ぶりに発生しなかった。前年同月との比較では、小売業、卸売業、建設業が増加する一方、サービス業が減少した。
地域別では、北九州・筑豊地区が前年同月比14・3%減(1件減)の6件と、2カ月ぶりに減少したが、福岡地区が同50%増(6件増)の18件と2カ月ぶりに増加。筑後地区も同25%増(1件増)の5件と4カ月連続で増加した。
小規模倒産が主体だが倒産件数は増加傾向で推移している。とりわけ、小規模飲食店の倒産が目立っており、原材料価格の高騰、人手不足による労務費の上昇などが採算悪化の一因となっている。先行きについては、米中貿易摩擦の先鋭化や中東情勢の不安定化にともなう円高進行、対韓輸出管理強化に対抗する反日運動の過激化による韓国人観光客の減少などが景気減速に拍車をかける恐れが出てきている。資本力や競争力に乏しく、業績改善が遅れている中小・小規模企業を中心に倒産件数は増勢で推移する公算が大きい。

2019年9月18日発行