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倒産件数、7カ月連続で前年同月下回る 帝国データバンク


週刊経済2021年3月2日発行

福岡県の企業倒産集計1月

福岡県の1月の企業倒産件数は前年同月比28・0%減(7件減)の18件と7カ月連続で前年同月を下回った。負債総額も、同94・1%増の8億8800万円と、2カ月ぶりに前年同月を下回った。負債総額は、2000年以降で2018年11月(6億200万円)に次ぐ低水準にとどまった。
業種別では、小売業(7件、構成比38・9%)が最多となった。以下、製造業(6件、同33・3%)、建設業、卸売業(各2件、同各11・1%)が続いた。前年同月との比較では、小売業、サービス業(6件、同33・3%)で増加。建設業、製造業など5業種で減少した。地域別では、福岡地区が前年同月比15・4%減の11件、北九州・筑豊地区が同42・9%減の4件、筑後地区が同50・0%増の3件となった。
帝国データバンク福岡支店が発表した「新型コロナウイルスに関する九州企業の意識調査(2020年12月)」では、2021年1月以降の感染拡大を危惧する声が多かった。その懸念通り、1月は更に感染者数の急増に歯止めがかからず、福岡県においては緊急事態宣言の再発出に加え、2月7日以降の宣言の延長が決まった。時短要請などの制限かかけられている飲食店や関連する業種は経営環境の更なる悪化に拍車がかかっている。これまでのところ、緊急事態宣言の再発出によって新型コロナ関連倒産が増加する状況には至っていないものの、緊急事態宣言の期間延長を受けて事業継続の断念や資金繰りが悪化する企業が増加する可能性があり、今後の動向を注視したい。