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個人投資家向け物件、賃貸管理強化  板倉雅明株式会社ディックスクロキ新社長に聞く


 ‐新社長就任の抱負を。
 板倉 数値的には平成22年度までの中期計画を追求していく。また、ここ数年ファンド向けの大型物件が多かったが、個人投資家向けを改めて強化し、それに伴う物件運営管理の基礎固めをしたい。一方で、展開している東京、名古屋、大阪の業績を着実に積み上げていきたい。それによって中期計画の達成を図る。
 ‐ファンド向け大型物件から個人投資家向けにシフトしていくと。
 板倉 ファンド向けがなくなるわけではないが、「投資家ありき」ではなく、「利用する人ありき」で物件を作り込みたい。大型も小型案件も、利用する人ありきでないと、収益物件にできないこともある。現状は金額ベースで大型8割、小型2割だが、大型物件を多少抑えて個人向けを強化し、できれば5対5に近付けたい。現在はそれができる局面。ファンドブームで土地の値段が上がり、マンション供給も一気に増えたが、賃貸住宅の家賃はあまり上がらず、加えて建築費も上がり、当社の基準としている利回り8%の実現が困難な状況になってきていた。それがここにきて土地価格は調整局面に入り、多少落ち着きを取り戻している。
 ‐外資やファンドによって、本来の収益性より高く土地が取引されたと。
 板倉 それでも福岡に対する投資意欲は持続している。九州の中の福岡というだけでなく、アジアに対する福岡という意味合いも強い。
 ‐管理面での施策は。
 板倉 安定収益につながる部分なので基盤を強化したい。現在管理戸数は1万1000戸ほどだが、1万5000戸、2万戸と拡大していきたい。それに耐えられる組織づくりを進める。
 ‐3月末の入居率は。
 板倉 96・6%。市場は供給過多だが好調に推移している。
 ‐3月期決算の見通しは。
 板倉 現在締めに入ったところで、予想数値の売上高287憶円、経常利益16憶5000万円は、ほぼ達成できただろう。
 ‐黒木会長との役割分担は。
 板倉 基本的には、営業面は私が管掌でコントロールし、会社の長期的な方向性や、新規事業の模索などは会長と相談しながら進めて行く。また会長にはぜひ対外活動をやって頂きたい。(いたくら・まさあき 1968年4月9日生まれの40歳。福岡市出身、県立福岡工業高校卒業後、東洋興産勤務を経て90年に黒木事務所〈現ディックスクロキ〉入社、96年取締役、99年専務、2005年から専務東京支社長、08年4月社長就任。趣味はゴルフ、ウェイクボード、スノーボード)
※ 詳細は「ふくおか経済5月号(237号)」に掲載