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伴走型支援によるリレーションの成果を出す年に 西日本FH・村上社長


週刊経済2021年12月28日発行

DX、ESG金融は一段高いレベルで

西日本フィナンシャルホールディングスの村上英之社長は、本誌新年号インタビューに応じ、「日本経済全体は新型コロナの影響や世界的半導体不足で、回復の足取りに力強さを感じた1年だった」と振り返り、新年の抱負について「22年は現中計の最終段階。伴走型支援によるリレーション強化の成果を出すとともに、DXやESG金融の取り組みを一段高いレベルにしていきたい」と話す。主なやり取りは次の通り。
―2021年を振り返って。
村上 経済全体を振り返ると、緩やかな景気回復の流れではあったものの、コロナの影響で当初想定されていたよりもGDPの伸び率が抑えられたという印象。個人消費はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発出などが続いたことで、特に9月までは低調に推移した。一方で、生産や輸出は米国と中国の好況に支えられたが、年後半になると半導体の供給不足に加え、自動車生産において東南アジアのコロナ禍によって部品供給に影響が出た。
当社の動きでは、特に決算は当初の予想を上方修正する結果となり、比較的順調に推移した。20年4月からスタートした中期経営計画に掲げている基本戦略の方向に沿って、実行ペースもかなり前倒しで進んでおり、順調に結果を残せた1年だった。
―九州リースサービスと資本・業務提携することを発表した。
村上 リース機能のグループ内への取り込みは、かねてからの課題だった。今回の決断に至ったのは、銀行法上の問題をクリアできる事例が確認されたことに加え、ESG、特にカーボンニュートラルへの対応で、リースの重要性が高まると考えたから。5月をめどに資本・業務提携契約を締結し、10月をめどに議決権保有率を30%まで引き上げることを目指す。
―天神ビジネスセンターに富裕層営業の戦略拠点を開設した。
村上 西日本シティ銀行の天神支店と天神北支店、NCBアルファ天神の3拠点に加え、西日本シティTT証券の本社、天神支店を集約する。天神の新しいランドマークである天神ビジネスセンターという特性を生かし、富裕層のお客さまの取り込みを図っていきたい。
―22年の抱負は。
村上 基本的な方向性、戦略は大きく変えるつもりはない。これまでの個々の取り組みが前倒しで進み、新しい態勢が整ってきた。22年はそれを深化させていくことに注力していくことになる。コロナのオミクロン株など先行きに不透明感は残るが、「withコロナ」、「afterコロナ」で感染防止と社会経済活動の両立を前提に、さまざまな制限も緩和されていくことになる。新しい事業や投資を考えつつも、実行に至らなかったお客さまの動きも活発になることが期待されてくる。こうしたニーズにしっかり応えていきたい。特にDXやESG金融を進めていきたい。