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他の首長の「お手本」となる役割を意識 福岡市


週刊経済2023年1月11日発行(合併号)

高島市長インタビュー抜粋

福岡市の高島宗一郎市長は本誌1月号、新年の抱負トップインタビューに応え、11月の福岡市長選挙の振り返りや、4期目に向けた抱負などを話した。以下、インタビューを抜粋。
―11月20日投開票の福岡市長選では、戦後の過去最多得票を更新して大差で4選を果たした。まず、選挙戦を振り返っての感想を。
高島 直近の3期目は任期の大半がコロナ禍の真っただ中であり、それまでの2期とは私を評価するポイントが異なるものになると見ていた。コロナに関する考え方の違いが、今回の選挙にどのような形で表れてくるのか、蓋を開けてみるまで分からなかった。しかし、実際に遊説がスタートすると、初日からあまりの反応の大きさに度肝を抜かれた。初日の段階から従来の選挙戦における最終日のような盛り上がり方で、この応援に大きく勇気づけられ、その後の選挙戦に打ち込んでいくことができた。
―「福岡から全国に希望を届ける」という役割を強調していた。
高島 コロナ禍の影響も残る中で、円安やそれを原因とした物価高、不安定な海外情勢など、ここ最近は国全体が閉塞感に包まれている。政府も目の前の課題にしっかり向き合っているものと思うが、国全体が「皆で空気を変えていこう!苦境を打破していこう!」といった雰囲気になっていないのも事実。だからこそ、人口や地価が伸び続け、「選ばれる都市」として注目を集めている福岡から、率先して全国に元気を発信していく責任があると私は考えている。
―市長のリーダーシップに期待している首長も多いのでは。
高島 気持ちの面では36歳の初当選時から全く老け込んだつもりはないが、3期12年も政令市長を務めたことで、周囲から「ベテラン」と目されることも増えてきた。かつて私が、知事を務めていた頃の東国原英夫さんや橋下徹さんに刺激を受けたように、私もほかの首長のお手本となるよう、背中を見せていく立場になってきたと認識している。そうした姿を通じて、全国に若い首長がどんどん増えていく後押しになれば、私にとっても無上の喜び。
―4期目の重点戦略について。
高島 12年間市長を務めていると、さまざまな分野で、もっとこうした方がよいというものが見えてくる。そういう意味で、特定の分野に絞り、「ここだけ」と限定するのではなく、12年間のキャリア、そこで培った経験やノウハウがないと実現できないことを、しっかりと進めていきたい。それは、総合的な交通体系の検討や子育て支援の充実であったりするのだが、そういった大きなことを実現しようと思うと、より多くの人の協力が必要となる。国からの後押しや、市議会や地元経済界の協力も必要。あらゆるステークホルダーの方々を巻き込んで、より大きな夢を実現していかなければならないと考えている。