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今夏からICT活用の保健指導を開始 久山町


九大、DeNAと連携

久山町(久芳菊司町長)は、九州大学(福岡市西区元岡、久保千春総長)、インターネットサービス業の㈱ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区、守安功社長兼CEO、以下DeNA)と連携し、ICTを活用した保険指導サービスを開始する。
サービス名は「ひさやま天気予報」。久山町と九州大学が、1961年から久山町民を対象に行ってきた疫学調査「久山町研究」の研究結果を、DeNAのICT技術を活用しフィードバックすることで町民の健康増進に生かす。
同サービスは、各疾患の将来の発症に関する情報を直感的に把握できるよう、健康診断の結果や疾患の発症に関する情報を天気予報を模したデザインで表示。また、各疾患の5年後、10年後、15年後の発症確率をシミュレーションし、健康的な生活習慣に結び付けやすくしている。今後は、夏以降に久山町での健診時の保険指導ツールとして活用を開始するとともに、DeNAのヘルスケア事業会社DeSCヘルスケア㈱(東京都渋谷区、瀬川翔社長)が提供する健康管理アプリ「KenCoM(ケンコム)」に同サービスの機能を搭載したものを久山町民に提供していくことで、日常的な健康への意識や行動変容を促していく。まずは糖尿病、心血管病の発症に関する情報提供から開始し、その後認知症など他項目を随時追加予定。
久芳町長は「健康分野で、地方創生のトップリーダーを目指したい」、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の二宮利治教授は「久山町研究は、健診受診率、剖検率、追跡率の高さから非常に精度の高い研究結果が出ている。健康状態を見える化することで、町民の意識向上に生かせれば」、ディー・エヌ・エーの大井潤執行役員ヘルスケア事業本部長は「今後、健康保険組合や他自治体などにも広く普及させていきたい」と話している。

2018年5月8日発行