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二酸化炭素回収装置のプロトタイプを今年完成予定 Carbon Xtract


週刊経済2024年2月14日発行号

20年代後半の実用化に向け

ナノ分離膜による二酸化炭素回収技術を活用した装置の開発・実用化に取り組むCarbon Xtract㈱(カーボンエクストラクト・福岡市西区九大新町5丁目、森山哲雄社長)は2024年中にCO2回収装置のプロトタイプの完成を目指している。
同社は、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の藤川茂紀主幹教授が研究を進めるDAC技術「m-DACⓇ」の装置実用化を実現させるため、総合商社の双日㈱(東京都)が主体となって設立した戦略子会社。「m-DACⓇ」とは、空気を膜でろ過することによって大気中の二酸化炭素を回収・濃縮する技術で、これを装置化できればさまざまな場所でのCO2回収が可能となる。また回収したCO2を多用な分野に利活用し、脱炭素社会実現に寄与することを目的としている。現在、2020年代後半の実用化に向け、今年中にCO2回収装置のプロトタイプを完成させることを目指しており、完成後は複数の協業企業と実証に取り組む。森山社長は「m-DACⓇをいかに早く社会実装していけるかが当社のミッション。まずは農業分野での利活用を考えている。CO2回収装置をビニールハウス横などに設置し、すぐそばの大気から回収したCO2により光合成をさかんにさせることで、植物の成長促進とCO2削減に役立てたい」と話している。
同社は2023年5月設立。資本金6400万円。