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事業多角化へ、温浴施設に参入 西部ガス


酒見社長インタビュー抜粋

都市ガス供給の西部ガス㈱(福岡市博多区千代)の酒見俊夫社長は本誌1月号「新年トップインタビュー」に応え、「ガス以外」の事業多角化の戦略などを語った。以下、インタビューを抜粋。
―ガス小売自由化から2年が経つ。
酒見 エリアの垣根を超えた競争が激化しており、スイッチング(契約切り替え)に歯止めがかからない状況。昨年は九州電力の玄海3・4号機が再稼働しており、オール電化営業とともにさらに攻勢が激しくなると見ている。こうした現状に対応するため、ガス料金メニューの充実を図っており、一定以上のガス使用量に応じて料金を割引く「ヒナタメリット」、西部ガス電気との併用に対する「でんき割」などを創設した。また、昨年4月には重点地区である福岡・北九州エリアで、産業用・業務用分野に経営資源を重点配置した。今後は地域の再開発など、「SPC」(特定目的会社)を活用した事業に積極的に参画し、より上流からガス化営業に注力していきたい。
―売り上げに占める「ガス以外」の比率を5割以上に高めるという方針も掲げている。
酒見 事業多角化には特に力を入れている。昨年は不動産分野でホテル開発に着手したほか、11月には温浴施設への参入も発表した。エネルギーを活用する業態として当社グループと親和性が高いと考えており、第1号店は福岡市小戸に開業予定で、今後は多店舗展開も視野に入れていきたい。また、7月に国際エネルギー事業部を立ち上げ、10月にはシンガポールに初の海外拠点を設けた。ここを拠点にLNGビジネスの海外展開を進めていく。
―働き方改革にも力を入れている。
酒見 昨年度から、営業部門の社員を対象に空いた時間を有効活用する「モバイルワーク」や、短時間勤務の社員を対象とした在宅勤務「テレワーク」を試験導入している。効果を検証し、本格導入に向けた準備を進めていきたい。

2019年1月8日発行