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九州企業の6割が「正社員の採用予定あり」  帝国データバンク福岡支店    8年ぶり高水準


 株式会社帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴2丁目)がこのほど発表した「2015年度の雇用動向に関する九州企業の意識調査」によると、約6割の企業が「正社員の採用予定がある」と回答し、リーマン・ショック前の07年度以来、8年ぶりに高水準を記録したことがわかった。
 同調査は「TDB景気動向調査2015年2月調査」とともに実施した。調査期間は2月16日から同月28日まで。調査対象は、九州企業の1938社で、有効回答企業は800社だった。
 正社員の採用状況について「採用予定がある」と回答した企業は61・4%で、14年度の58・5%と比べると2・9ポイント増加し、6年連続で増加している。一方、「採用予定はない」と回答した企業は28・4%で、8年ぶりに2割台にとどまるなど、正社員の雇用環境は改善傾向が続いている。
 また、非正社員の採用状況については、49・1%の企業が「採用予定がある」と回答し、正社員の水準と同じく、07年度以来8年ぶりに高水準となった。非正社員の「採用予定はない」と回答した企業は36・4%で、09年度の54・2%をピークに6年連続で減少、大企業を中心に雇用状況は大幅に改善している。
 さらに、16年春の卒業予定者から、採用時期が後ろ倒しになったことによる影響について、「影響はない」と回答した企業が51・3%と最も多かった。一方、「不利になる」と回答した企業は9・4%で、大企業を中心に高くなっている傾向が見られたほか、中小企業では大手企業と採用時期が重なってしまうことを懸念する意見があった。
 2015年度の雇用動向は、人手不足による業績への懸念が一段と高まるなかで、正社員、非正社員ともに大きく改善するとみられる。同支店では「企業の採用意識は着実に改善しているが、採用時期の後ろ倒しを懸念し、試行錯誤している企業も多い」と分析している。