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久留米市に保管型冷凍物流センター建設 愛媛県のあわしま堂
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週刊経済2021年8月3日発行
将来は生産工場建設も視野に
愛媛県八幡浜市の和洋生菓子メーカー・㈱あわしま堂(木綱德勝社長)は7月27日、久留米市田主丸町に保管型冷凍物流センターを建設することを発表し、同市と進出協定を締結した。
物流費削減や商品の安定供給を図るのが狙い。場所は県が内陸型工業団地として造成し、㈱資生堂福岡久留米工場などが進出している久留米・うきは工業団地4工区。敷地面積は2万341㎡。約13億4200万円を投じ、鉄骨造り平屋建て、建築面積約4500㎡の物流センターを新設する。来年9月~10月の稼働予定で、稼働後は愛媛県の本社工場から別府港を経由し、商品をセンターに搬入、冷凍・解凍作業、値付、日付貼り付け作業、商品の仕分け作業などを行い、九州各地の量販店に供給する。従業員数は50人で、うち新規雇用者数は20人。また、敷地内には直売所を設けるほか、将来的には生産工場の建設も視野に入れている。
久留米市役所で行われた進出協定締結後、会見した木綱社長は「2年ほど前から九州に物流拠点の進出を検討、九州の供給先のうち、7割を占める北部に加え、南部へのアクセスにも優れた久留米に物流センターを新設することに決めた」と経緯を説明、「物流センターを新設することで九州方面への物流コストが半減するほか、台風で出荷がストップすることへの対応も可能になる」と物流センター新設のメリットを強調した。また、木綱社長は大久保勉市長が同社を表敬訪問したエピソードを紹介、「工場や物流センターを進出する自治体のトップが本社を訪問されたのは初めて。とても感激した。コスト削減だけでなく、地域経済の活性化にも貢献できるよう最善を尽くしていきたい」と意気込みを語った。同席した大久保市長は「和洋菓子メーカーで全国2位のシェアを誇る㈱あわしま堂の物流センターが本市に進出するメリットは大きい。早い段階で生産工場を建設していただけることを期待したい」と久留米での事業拡大に期待を寄せた。
同社は1927(昭和2)年創業。資本金1億円、パートを含む従業員数は1千人。愛媛工場のほか、京都市伏見区、栃木県佐野市に工場を置き、年間600種類の和洋生菓子を製造、和洋生菓子の全国シェアは26%で、全国2位(首位は山崎製パン㈱の40%)。2020年度の売上高は137億円。うち九州の売上高は約30億円。