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主軸事業好調で12月期業績予想を上方修正 伊井田ワールドHD会長兼社長
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週刊経済2021年12月7日発行
来期から新中計がスタート
人材事業と不動産事業を主軸とする㈱ワールドホールディングス(福岡本社:福岡市博多区博多駅前2丁目、伊井田栄吉会長兼社長)は11月の第3四半期決算では、売上高、利益ともに前年同期を上回った。通期の見通しと現在の取り組み、来期への展望を伊井田会長に聞いた。
―今期の業況は。
伊井田 どの事業もコロナ禍に対応して成長できている。第3四半期決算発表では通期業績予想を上方修正した。
人材事業の方は、自動車関係が復活してきており、加えて5G関係の半導体、電子部品関係、機械関係、ロボット関係は急激に伸びている。一方で採用コストが急激に上昇しており、人材確保が課題だ。不動産事業では、土地価格の高止まりが続いていたが、東京ではさらに値上がりしている。どこまで行くか懸念もあるが、我々の方ではうまく取得、販売ができている。
―新たな取り組みについては。
伊井田 M&Aの手法を取り入れた不動産の取得に力を入れている。後継者難で事業承継や清算を考えている中小企業を対象にしたもので、そうした会社が、不動産を売りたいという話はよくあるが、経営者の一番の懸念は「従業員がどうなるのか」で、決断が難しいケースが多い。
その点、人材事業を持つ我々は、そこの従業員を正社員として採用し、そのスキルを活用できる仕事に配属できるという強みがある。そして、M&Aに合わせ不動産もうまく取得できる。こういう形での不動産取得はこれまでに5~6件、この1年半の間では3件ほどとペースが上がっている。この手法は、不動産事業と人材事業を持つ当社グループならではのビジネスモデルだと思う。
―来期に向けては。
伊井田 まず、次なる成長産業である5G関係など、さらに優秀な人材を育成していきたいし、不動産も動きがよくなっているので、もっと攻めていきたい。またコロナ禍で飲食や旅行関係が縮小しており、我々はそこから流出した人材に、物流関係などの短期のスタッフとして活躍していただいている。これから先、飲食などは復活してくると見ているが、従業員不足になっているところも多いため、逆にそこでまた活躍できる場を創る「人材の流動化」を推し進めることがわれわれの使命だと考えている。
―来期からは新中期計画もスタートする。
伊井田 5カ年計画の予定で、現在策定を進めているが、社内の意見も広く取り入れていきたい。また将来的に私が経営の第一線を退いた後にも、事業がスムーズに継続できるような体制づくりも意識している。そのためには主軸事業のトップがきちんとした事業のビジョンを作って、組織を「見える化」して会社が成長するための道筋を示さないといけない。それはこれまで私がやってきたが、それを各事業のトップに移譲していこうと考えている。もちろん、私も後ろからしっかりバックアップしていく。