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中核のカンサイ好調で売上高が過去最高更新 カンサイホールディングス


週刊経済2023年6月27日発行号

前期比14・7%増の293億円

電設資材卸売の九州最大手、㈱カンサイを中核事業会社とする㈱カンサイホールディングス(福岡市博多区東比恵3丁目、忍田勉社長)の2023年3月期決算は、売上高が前期比14・7%増の293億5385万円、経常利益が25・2%減の3億1812万円で増収減益だった。
中核事業会社のカンサイが昨年3月に執行役員制を導入し4つのエリアを管轄する事業体制に変更したことが奏功し約18億6000万円の増収で、2018年度に長崎地区の地域販社として㈱カンサイ西九州社を分社以来、再び売上高が200億円を突破。カンサイ西九州社も売上高が過去最高を更新するなど、既存の事業会社10社のうち6社が増収を達成し、HDの売上高は2期連続の増収で過去最高を更新した。利益面では昨年解散した事業会社2社の清算に伴う損失を計上したため経常減益となり、当期純利益も20・6%減の2億4036万円と減益だった。
事業会社別の売上高を見ると、電材卸では中核のカンサイが9・5%増の214億708万円、カンサイ西九州社が15・1%増の25億6203万円で共に2期連続の増収。鹿児島地区の地域販社、㈱カンサイ南九州社も24・9%増の12億2447万円と好調だった。一方、電線関連を得意とする九州昭和㈱が5・4%減の13億6303万円、老舗の㈱日進商会が3・9%減の9億79万円、山口県のエコプラス㈱が14・5%減の9億472万円と前期を下回った。
電材卸以外では、弱電工事全般の㈱ロッコウアトムが16・5%増の12億926万円、住宅設備機器販売・住宅リフォームの㈱カンサイしんこうが前々期の事業体制変更が奏功し93・2%増の12億2927万円、沖縄の空調・省エネ工事会社、㈱アイ・シー・エスが17・7%増の2億8369万円と増収。空調・管工事用資材卸売の㈱サワヤマ機材が4・3%減の1億6613万円だった。また、昨年2月に設立し実質初年度となるインテリア商材販売の㈱カンサイテックデザインの売上高は1億5562万円だった。結果、事業会社11社の単純合計売上高は前期(10社)と比べて11・1%増の314億613万円となり、3期ぶりに300億円台に乗るとともに過去最高だった19年度の307億4370万円(11社)を超えた。
今期の計画値はカンサイHDについては公表していないが、中核のカンサイでは今年3月に就任した本多利行新社長(カンサイHD副社長)の下、さらに営業強化を図り、カンサイはじめ事業会社11社とカンサイHD電設事業部(旧カンサイ特機事業部)からなる事業部門の単純合計売上高は前期比約2%増の328億円に目標設定している。