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中小DIは2期ぶり改善も11期連続マイナス 日本公庫福岡支店


週刊経済2022年2月8日発行

小規模は12期連続悪化

㈱日本政策金融公庫福岡支店(福岡市博多区博多駅前3丁目、中谷正一支店長)が発表した2021年10月から12月までの九州地区「中小企業動向調査」結果の業況判断指数(DI)は、中小企業が前期(2021年7月~9月)比5・4ポイント増の▲4・6と2期ぶりに景況が改善した。マイナス景況は11期連続。
従業員数が20人以上の中小企業調査結果(543社回答)によると、製造業では主に飲食料品や金属製品、窯業・土石、木材・木製品が上昇したものの、木材・木製品と金属製品、生産用機械、電子部品・デバイス、印刷・同関連を除く分野でマイナス景況となった。非製造業ではサービス業が前期のマイナス景況から2期ぶりプラスに転じたほか、卸売業も2期連続プラス景況と堅調に推移。小売業と運送業もマイナス幅を▼10~▼20まで縮小している。売上DIでは製造業が前期比5・5ポイント増の2・8と2期ぶりにプラス改善。非製造業は同3・8ポイント増だったものの▲4・7となっている。
また、従業員が20人未満の小規模企業調査結果(654社回答)では前期比15・2ポイント改善し、▲35・8までマイナス幅を縮小したものの12期連続でマイナス景況なった。
製造業をみると前期比10ポイント増の▲26・5、非製造業では同15・8ポイント増の▲36・9となった。
業種別では飲食店・宿泊業が前期比57・3ポイント増の▲31に大幅回復し、運輸業も同22・5ポイント増の▲40、卸売業が同11・4ポイント増の▲29・4、小売業が同9ポイント増の▲46・4、建設業が同2・9ポイント増の▲9・5といずれも改善したが、プラス景況には至らなかった。一方、サービス業は同0・4ポイント減の▲48・5、情報通信業が同35ポイント減の▲75となっており、依然厳しい状況が続いている。
次期(22年1月~3月)の全産業DIは、中小企業が前期比12・7ポイント増の8・1。小規模企業はさらにマイナス幅が拡大すると予想している。業況判断指数とは、「良い」と回答した企業と「悪い」と回答した企業の割合の差を示している。