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中小企業DIはコロナ禍改善もマイナス景況 日本公庫福岡支店


週刊経済2021年11月9日発行

小規模は11期連続悪化

㈱日本政策金融公庫福岡支店(福岡市博多区博多駅前3丁目、中谷正一支店長)が発表した2021年7月から9月までの九州地区「中小企業動向調査」結果の業況判断指数(DI)は、中小企業が前期(2021年4月~6月)比8・8ポイント減の▲10と前期の大幅改善から再びマイナス景況が拡大した。マイナス景況は10期連続。
従業員数が20人以上の中小企業調査結果(653社回答)によると、製造業では木材・木製品等や金属製品、生産用機械が前期比約1・5倍から同3倍の勢いで上昇したものの、飲食料品が▲30まで悪化。窯業・土石も前期のプラス景況から一転、▲30近くと大幅に低下した。非製造業はサービス業と小売業が前期のプラス景況からマイナスに転じたほか、宿泊・飲食サービス業も前期の▲10から▲60となり大幅低下。一方で、建設業は▲20からDI0近くまで改善したほか、水運業も前期のプラス景況の勢いを維持している。売上DIでは製造業が前期比5・2ポイント減の▲2・7、非製造業が同10・3ポイント減の▲8・5となっている。
また、従業員が20人未満の小規模企業調査結果(797社回答)では前期比4・1ポイントマイナス幅が拡大し、▲51に悪化。11期連続でマイナス景況なった。製造業をみると前期比4・5ポイント減の▲36・5、非製造業では同4・1ポイント減の▲52・7となった。業種別では建設業が前期比2・5ポイント増の▲12・4に回復したものの、情報通信業が同6・7ポイント減の▲40、卸売業が同1・1ポイント減の▲40・8、サービス業が同0・1ポイント減の▲48・1、小売業が同6・1ポイント減の▲55・4、運輸業が同9・6ポイント減の▲62・5、飲食店・宿泊業が同6・9ポイント減の▲88・3となっており、依然厳しい状況が続いている。
次期(21年10月~12月)の全産業DIは、中小企業が前期比3・5ポイント増の▲6・5。小規模企業は当期とほぼ横ばいと予想している。業況判断指数とは、「良い」と回答した企業と「悪い」と回答した企業の割合の差を示している。