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両県で350億円の経済効果見込む 福岡・大分デスティネーションキャンペーン実行委


週刊経済2024年3月5日発行号

福岡県(服部誠太郎知事)、大分県(佐藤樹一郎知事)とJRグループは、4月から6月にかけて大型観光キャンペーン「福岡・大分デスティネーションキャンペーン(DC)」を開催する。
DCは自治体や地元観光関係者などがJRグループと共同で開催する大型観光キャンペーンで、福岡県では25年ぶり、大分県では9年ぶり。今回は共同開催で「至福の旅!大吉の旅!福岡・大分」をキャッチコピーに、食や温泉、文化などの魅力を全国に発信する。2月19日には企画概要についての共同記者会見を開き、両県の主な企画のほか、JR九州が独自で開催する観光キャンペーン、福岡・大分両県を結ぶ新たなD&S列車「かんぱち・いちろく」について発表した。福岡県は、県内発着のバスツアー「よかバス」を企画。期間中に50コース・300本を超えるツアーを用意しており、一括して閲覧・検索できる専用サイトをオープンした。大分県は「Oita Cultural Expo!24」と題して、国内外で活躍するアーティストの作品を県内各地に展示。県内6地域を巡るカルチャーツアーも実施する。JR九州では、キャンペーンに合わせて春に運行開始予定の新D&S列車、特急「かんぱち・いちろく」の内外装や車両レイアウト、ロゴマークを発表。「ゆふ高原線の風土をあじわう列車」をコンセプトに、博多駅~由布院駅・別府駅間を、ゆふ高原線(久大本線)経由で1日片道1便運行する。全席グリーン席の車内では、沿線の食材を使用した食事(弁当)も提供する。運行開始日や発売額、車内サービスなどについては、決まり次第発表する。キャンペーンによる経済波及効果は、福岡県内が230億円、大分県内が120億円の計350億円を見込む。
服部知事は「キャンペーンを通じて、旅行者数をコロナ禍前の水準に戻すことが目標。観光において境目はない。県境を越えて、広域周遊を楽しんでほしい」、佐藤知事は「両県の共同開催は初めて。相乗効果に期待し、連携して盛り上げていきたい」、JR九州の古宮洋二社長は「DCの後にも、9月まで独自で両県の観光キャンペーンを実施する。キャンペーンをきっかけに福岡・大分に来ていただくことで、九州全体を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。4月6日には、JR博多駅前広場でオープニングセレモニー・イベントを開催する。