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世界的投資グループのCDPQから200億円超調達 自然電力


週刊経済2022年11月1日発行

今年度の資金調達合意額は744億円に

自然エネルギー発電開発の自然電力㈱(福岡市中央区荒戸1丁目、磯野謙社長、川戸健司社長、長谷川雅也社長)は10月24日、世界的な投資グループであるカナダのケベック州貯蓄投資公庫(以下CDPQ)から200億円の出資を受けると発表した。
CDPQは全額引き受ける転換社債型新株予約権付社債として自然電力に出資する。両社間ではCDPQが500億円を出資することを想定した共同投資の枠組みについても合意しており、それに伴い自然電力はCDPQから取締役を1人受け入れる。
自然電力は、すでに今年2月にJICベンチャー・グロース・インベストメンツ㈱(東京都)と㈱シグマクシス・インベストメント(同)による総額44億円の出資も受けており、今年度の資金調達合意額は744億円に上る。今後もこれら出資社との協業による成長事業の共創とともに、再生可能エネルギー発電所のさらなる開発、エネルギーテックに関する事業強化、さらに人的資本形成を進めていく。
具体的には、日本における地上・屋根設置型太陽光発電、営農型太陽光発電、陸上・洋上風力発電、小水力発電、バイオマス発電など、多様な再生可能エネルギー電源の開発を継続するほか、これらの再生可能エネルギーを有効活用する自社開発のエネルギーマネジメントシステムのさらなる研究開発に注力。一方海外では、東南アジアやブラジルなどで、グローバル企業や現地企業向けのオンサイト・オフサイトPPAを強化し、また現地有力企業との提携による大規模な太陽光・風力発電プロジェクトにも取り組む予定で、地域社会の活性化を図りながら、日本国内外におけるエネルギー転換の加速を目指す。
自然電力は「数十年にわたってサステナブル経営に向けて動き出し、現在は脱炭素社会の実現に向けて超長期の視点で投資をしているCDPQとパートナーシップを結べたのは大変光栄。温暖化およびエネルギー問題の解決にはさらなるスピード感が求められる中、今年度新たに契約を締結させていただいた出資社との協業も通じて、地球の未来に向けた世界規模のアクションを加速させたい」と話している。