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世界初FCV、販売好調で140台を受注 福岡トヨタ自動車 納車は3年後の見通しに
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福岡トヨタ自動車株式会社(福岡市中央区天神、金子直幹社長)では、昨年末にトヨタ自動車が発売した世界初のFCV(燃料電池自動車)「ミライ」の受注数が、3月中旬時点で140台に達した。
FCV「ミライ」は水素を燃料とする次世代自動車で、世界で初めて市販化されたFCV。燃料の充填に必要な水素ステーションの設置計画は、東名阪の三大都市圏を中心に進められているが、早くから水素エネルギーに注目してきた福岡県は地方都市で唯一、ステーションの整備が進展しており、現在までに北九州市、福岡市で4件の開設が決定。昨年8月には産官学でFCVの普及拡大を目指す「ふくおかFCVクラブ」も発足しており、販売初期から一定の市場性があると見られていた。福岡県内では、福岡トヨタ自動車と福岡トヨペットの2社で販売を始めている。
トヨタ自動車は、初年度の国内向け生産台数は400台と計画していたが、すでに1月時点で1500台の注文が入っていると公表。福岡県でも、稼働中のステーションは北九州市小倉北区(岩谷産業)の1件のみながら、140台の受注とそれを大きく上回る問い合わせがあり、ディーラーの予想を大幅に上回る需要が見られている。購入者の内訳は、企業・団体・自治体等と個人ユーザーがほぼ半々だという。一方、現在は1日3台しか生産できないラインの増設には、2年以上がかかると見られており、直近2年間の同社への納車台数は年間10台と定められている。少なくとも現時点での注文に対しては、納車まで約3年が必要とされている。販売価格は723万6000円で、国が設けた202万円の補助金を含めると、実質520万円程度となる。
現在、福岡県内では、2月に県、福岡市、北九州市へそれぞれ一台ずつ公用車が配備され、今月中に九州大学と国の水素エネルギー製品研究試験センターに納車される見通し。また、県の助成を受けた地元タクシー会社5社にも、3月末までに納車される予定。以降は、早い段階で注文した企業等から、随時納車していくという。橋本弘行特販部副部長は「ステーション整備が進んでいない段階で、これほどの大きな需要があるとは予想外。やはり、県や九経連が先頭に立って地元企業へ呼びかけたことが大きい」と実感。一方、個人ユーザーの需要については、「新しいものへの興味や、高齢者などが定年後の楽しみとして購入を考えるケースが多いようだ」と分析している。