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不動産事業好調で経常利益は二ケタ台の増益  第一交通産業中間決算


鉄鋼、自動車業界向けは売上増維持

第一交通産業㈱(北九州市小倉北区馬借2丁目、田中亮一郎社長)の9月中間連結決算は、売上高が前年比0・3%増の459億210万円、経常利益が同13・9%増の25億9100万円の増収増益となった。
営業利益は17・7%増の26億5500万円、純利益は14・2%増の15億5500万円だった。主力のタクシー事業の売上高は0・6%減の277億800万円。前年同期には大阪府北部地震、西日本豪雨や北海道胆振地震での鉄道運転見合わせや損害調査に伴う増加要因があったためわずかに減収となった。損益面では最低賃金の上昇に伴う人件費の高騰、新車購入やUDタイプ車両の導入推進があるものの、燃料単価の下落に伴う燃料費の減少、営業所の統廃合での合理化など経費削減に取り組んだ結果、セグメント利益は同3・9%増の7憶円となった。期間中のタクシー認可台数は各地のM&Aに伴う増加などで前年度末比で130台増の8407台と増えたが、このうち94台はタクシー特措法に基づく特定地域内で稼働ができない状態(休車)になっている。そのため稼働可能な台数は8313台で、預かり減車253台が将来UD車などで復活が可能となっている。また、バス事業の売上高は、同2・8%減の35億7700万円。セグメント利益は営業所の統廃合での合理化など経費削減に取り組んだものの、最低賃金の上昇に伴う人件費の高騰もあり、同15・6%減の2億1200万円となった。バス認可台数は前年度末から4台減って721台となった。
一方、不動産分譲事業の売上高は同24・9%増の90億7200万円となった。セグメント利益は同約4倍の3億9600万円だった。分譲マンションの売上高は、同40・8%増の68億2300万円と伸びた。戸建住宅の売上高も同75・2%増の20億200万円と伸びている。賃貸事業では那覇バスターミナルビル内のテナントが稼働したことや各地の繁華街の飲食ビルを取得して稼働。この結果、売上高は同14・2%増の23億1900万円で、セグメント利益は同12・9%増の11億8500万円となった。また、不動産再生事業では長崎市若草のマンションの分譲があったものの、JR小倉駅前のセントシティ北九州からコレット井筒屋が撤退したことに伴い賃料収入が減少。前年同期には大型物件を売却したこともあり、売上高は同67・1%減の8憶2600万円。前年同期には3憶500万円の利益を計上したが、4800万円のセグメント損失となった。金融事業では不動産担保ローンの貸し出しは順調に推移したものの、前年度に大口貸出金の回収が重なった影響で、期中平均融資残高が前年同期に比べ減少。売上高は同12・2%減の7億7700万円となったが、セグメント利益は同約3・6倍の4億9900万円となった。不動産担保のローンの融資残高は前年度末から26億3500万円増えて189億8900万円となった。
通期では、売上高が同0・3%増の1065億円、経常利益が0・9%増の70億円を見込んでいる。

20191119日発行