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下水バイオガス由来の水素活用した燃料電池の運用開始 西部ガス


週刊経済2022年12月20日発行

グループ研修施設「油山研修所」で発電や給湯

西部ガス㈱(福岡市博多区千代1丁目、道永幸典社長)は、グループの研修施設「油山研修所」(同市城南区東油山3丁目)に設置している純水素燃料電池(※)の燃料に、福岡市水素ステーションで製造された水素を採用し、施設内の電気や給湯の一部に利用する運用を始めた。
福岡市水素ステーションは、生活排水(下水)を処理する過程で発生するバイオガスから作られたカーボンフリーな水素を燃料電池自動車に供給する世界初の水素ステーションとして2015年に実証事業を開始。今年9月からは商用化ステーションにリニューアルした。水素供給能力は約290㎏/日(燃料電池自動車約60台分)。ここで製造された水素をボンベに充填して搬送し、純水素燃料電池を稼働する取り組みは今回が初めて。
西部ガスグループは昨年9月に「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」を策定し、2050年のカーボンニュートラル実現を目指して、これまで培った様々な技術やノウハウを結集して新たな取り組みを進めている。その中で水素の利用は、ガスの脱炭素化の重要な選択肢の一つと位置付けており、利用拡大を図っている。
※水素と空気中の酸素を化学反応させて発電し、その際に発生した熱を給湯にも利用できる。