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上位50社の売上高合計は3年ぶり前年超え 16年焼酎メーカー売上高ランキング


1位は5年連続で霧島酒造

㈱帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴2丁目)は8月30日、2016年(1月期〜12月期)の焼酎メーカー売上高ランキングを発表、上位50社の合計は前年比2・0%増の2859億6400万円で3年ぶりに前年を上回った。

売上高トップは5年連続で霧島酒造㈱(宮崎県都城市)。上位10社の中では唯一2ケタ増収で、売上高は前年比10・4%増の650億7200万円。主力の芋焼酎「黒霧島」は「黒ブーム」の火付け役として全国的にも知られる。関東や関西地区などの大都市圏で一般家庭向けの紙パックなどが好調に推移しているほか、甲類焼酎が主力の東北・北海道地区でも積極的に営業を展開、売り上げを伸ばしている。2位は三和酒類㈱(大分県宇佐市)で、売上高は同0・6%減の477億3800万円。主力商品の麦焼酎「いいちこ」が全国で高い人気を誇り、大都市圏のほかアジア、北米などの在留邦人向け輸出も行っているものの、同業他社との競合などで減収だった。3位は雲海酒造㈱(宮崎市)で、売上高は同1・6%増の164億2000万円。主力は麦焼酎「いいとも」、ソバ焼酎「雲海」、芋焼酎「日向木挽」で、東京、大阪など大都市圏や中国地区、福岡地区などで営業を展開。TVコマーシャルで、ソバ焼酎をソーダで割る「そばソーダ」を提案しているほか、新商品の「木挽BLUE」などが好調で増収となった。ベスト5の順位は前年と変わっていない。増収企業は前年比6社増の19社、減収企業は同7社減の26社、横ばいは同1社増の5社だった。最終損益が判明した42社のうち、黒字企業は前年比1社減の37社にとどまったものの、1億円以上の最終利益を計上した高収益企業は15社となり、前年を2社上回った。赤字企業は同1社減の5社。

同社では「近年は自宅で酒を飲む『家飲み』の増加などを背景に、大手総合酒類メーカーが手掛ける缶チューハイや缶カクテルなどの『RTD』の市場も拡大を続けており、競合が一段と激化している。ブランド力を高めるための経営戦略や、多様化する消費者のライフスタイル・嗜好にマッチした商品開発、飲み方の提案などが市場拡大のカギとなりそうだ」と分析している。

2017年9月20日発行