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ワクチン過不足の可視化システム開発 大阪市のアルカディア・システムズ


週刊経済2021年7月13日発行

福岡市東区で運用

医療システムソリューション、ヘルスケア事業などを手掛けるアルカディア・システムズ㈱(大阪市淀川区西中島6丁目、小幡忠信社長)は医療法人やまびこ会 福岡東ほばしらクリニック(福岡市東区名島1丁目、張同輝院長)の協力で、地図上でワクチンの過不足状況を表示するシステムを開発、6月17日から提供を開始した。
同社は従来から、災害時に透析施設の稼働状況を地図上で可視化し、対応につなげるクラウドシステムを提供。新型コロナワクチンを接種するクリニック側から、余剰ワクチンの破棄防止のための仕組みづくりについて相談を受けて、同システムをベースにワクチンの過不足数を登録・地図上に表示するシステムを開発した。現在、福岡市東区の医療機関88施設に情報登録を呼びかけて運用している。ワクチン接種のキャンセルなどで余剰が発生した場合に希釈時間や種類などの情報を登録、システム上で共有し、接種可能者を誘導する。これに加えて、接種希望者のキャンセル待ちリストを登録、施設から余剰ワクチンが出た場合に希望者とマッチングするシステムを開発中で、8月上旬のリリースを目指す。先行運用以降に、有償で展開していく方針。
同社では「今後一般向けの接種が本格化していくにあたり、急なキャンセルなどが増えることが想定される。マッチングシステムの実現には自治体の接種の動きを把握する必要があるため、システムを運用・ともに構築していただける自治体を募集している」と話している。福岡東ほばしらクリニックでは「キャンセルが発生した際は、まず院内や関係者などで対応しているが、クリニック単体では限界がある。ワクチンの供給が限られている中で、廃棄を出さないためのシステムとして活用していきたい」と話している。
同社は1988年5月設立。資本金は2千万円。