NEWS

ローム・アポロをグリーンアジア特区の指定法人に 福岡県


週刊経済2022年4月12日発行

76社目、設備投資額は累計約3710億円

福岡県(服部誠太郎知事)は3月25日付で、国の総合特区制度を活用し、環境を軸とした産業拠点の構築を目指す「グリーンアジア国際戦略総合特区」の指定法人に、ローム・アポロ㈱(八女郡広川町、辻辰雄社長)を指定した。特区制度を活用して設備投資を行う企業は76社、設備投資の累計額は約3710億円となった。
同社は半導体・電子部品製造大手のローム㈱(京都市左京区、松本功社長)の子会社で、半導体製造の前工程を手掛ける。指定は3回目で、今回の指定は、本社工場で電気自動車向けパワー半導体(MOSFET)の生産体制構築のための設備導入に対するもの。今後、特区関連の設備投資に対して、法人税にかかる課税の特例措置として、機械・装置などの取得価額の最大34%の特別償却、または最大10%の税額控除を受けることができる。
交付式で、服部知事は「2月には、ローム・アポロの辻社長にも出席していただき『福岡県グリーンデバイス開発・生産拠点協議会』を設立した。約400社の半導体関連企業が立地する福岡県の強みを生かして、グリーンデバイスの一大拠点を目指したい。進出企業を歓迎するだけでなく、地元企業とも手を取り合って推進していきたい」とあいさつ。ローム・アポロの柴田公司取締役工場長は「社員一同、指定法人として認定していただいたことを生かし、県の発展につなげたいという思いを持っている。ロームが掲げる『われわれは、つねに品質を第一とする。いかなる困難があろうとも、良い商品を国の内外へ永続かつ大量に供給し、文化の進歩向上に貢献することを目的とする』という企業目的のもと、生産強化に取り組んでいきたい」と話した。