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リピーター軸に新戦略、3泊で5千円クーポンも 九州観光機構


週刊経済2022年6月28日発行

6月15日付で組織名変更

一般社団法人九州観光機構(福岡市中央区渡辺通2丁目、唐池恒二社長)は6月15日に記者会見を開き、今年度の取り組みを発表した。
同日の定時総会では、旧・九州観光推進機構から「推進」を除いた組織名の変更が決定した。唐池会長は「推進という言葉には外部から力を加える、後押しするという意味がある。もっと主体的に、結果を出していくという気概で取り組む」と改称の理由を説明。新たな組織名とともに「観光を九州の基幹産業とし、観光産業の振興と九州経済の発展に寄与する」、「地域との共生を図りながら、リピーターを中心とした交流人口を増やす」という新ビジョンを打ち出し、今後の戦略として「リピーター拡大」に重点を置く方針を示した。
今年度の取り組みとしては「九州・たびたびの旅キャンペーン」を実施する。九州内の宿泊施設に1人1泊すると1ポイントを進呈し、3ポイント貯まると5千円分のクーポンを付与する。付与期間は今年9月中旬から来年3月末までを想定しており、詳細は8月頃発表する。10月には、リピーター拡大のためのアイデアを募る「学生対抗九州観光ビジネスプランコンテスト」を開催。九州内の大学、大学院、短大、専門学校など約20校の参加を見込む。
加えて、動画による情報発信を強化する。YouTubeのアカウントを「チャンネル九州塾」にリニューアルし、7月4日から動画配信を開始する。番組は同機構のスタッフがオフィス内に設けたスタジオで撮影・制作。唐池会長が「塾長」として観光や経済について語る番組のほか、スタッフによる九州各県でのインタビューなどの番組を予定している。
唐池会長は「これまで誘客には力を入れてきたが、観光地づくりでは成果に乏しかった。地域とともに、食やイベントなどの新たな観光資源を創造していきたい」と方針を語った。今後の観光の見通しについては「インバウンドの条件緩和や県民割の支援対象の全国拡大が進めば、夏から秋にかけてかなりのペースで回復していくのでは」と期待する一方で「新型コロナの状況は注視する必要があり、完全な回復には1~2年を要する」という見方を示した。