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モノづくり支援、中心市街地活性化、会員増  北九州商工会議所    重渕雅敏会頭に聞く


 本誌「ふくおか経済」は6月5日、8月号の「表紙の人」で重渕雅敏北九州商工会議所会頭にインタビューした。重渕会頭は自動車産業を中心としたモノづくり産業の支援、中心市街地の活性化、新規会員の獲得について話した。重渕会頭は昨年11月に会頭として2期目がスタートしている。
 ―今年度の新規・重要事業は。
 重渕 いくつかありますが、まずモノづくり産業への支援、中心市街地の活性化、地域と観光の振興、中小企業支援などです。
 ―モノづくり産業支援ではどのようなことに取り組むのか。
 重渕 自動車関連を主体としてやっていきますが、それ以外に半導体、ロボット、ナノテクなど新しい技術にも力を注ぎたいと思います。
 これらの産業でも安川電機さんや三井ハイテックさんの活躍もあり、北九州市が拠点になろうとしています。このため北九州市も従来の素材系をベースにしたモノづくりの町から、自動車産業のような組み立て業、あるいは半導体や超微細加工を特徴とするような新しい産業を中心とした産業構造に変えていかなくてはいけないのではないかと考えています。
 そのほか、ブリヂストンさんのタイヤ工場など、いろいろな業種からの企業進出も続いています。商工会議所としても、進出の際には雇用面などで協力するとともに、地元の中小企業との関係作りを促していこうと考えています。中小企業には、こういった大手メーカーの進出を異業種への新規参入や取引拡大のチャンスにしてほしいと考えています。
 ―中心市街地の活性化については。
 重渕 中心市街地が経済・文化の中心、コミュニケーションの中心の機能を取り戻すには、多様な事業主体が参画する活性化が必要です。当会議所では多くの民間企業の出資を頂き、「北九州まちづくり応援団株式会社」を設立し、ボランティアの女子学生が街の案内をする「こくらハローズ事業」、来街者が気軽に使用できるトイレを増やす「おもてなしトイレ事業」、加盟店での買い物客に共通無料駐車券をサービスする「共通駐車券事業」などを実施してきました。また、まちづくり応援団と当会議所が中心となり、小倉・黒崎両地区において、多様な事業主体の皆様にご参画いただき、「中心市街地活性化協議会」を設立しました。北九州市が策定した、小倉地区、黒崎地区の活性化基本計画が7月9日に内閣府に認定されました。この計画への意見書の提出や、実施確認など街づくりの調整役として取り組んでいきます。1つの市で2つの地域が、同時に申請し、認定されたのは北九州市だけです。北九州市にとって、小倉は都心で、黒崎は副都心に当たります。黒崎は特に疲弊が著しい場所です。この2つの地域を活性化させることは、北九州市全体の活力を生み出すことにつながると思います。北九州市や協議会、地元の皆様と力を合わせ、計画に基づいて今年度から活性化に向けて取り組みます。
 ―新規会員獲得に向けた会員増強運動は。
 重渕 財政上の問題もありますが、中心市街地の活性化など、いろいろな問題を解決するためには、町を挙げてやらなければいけません。そのためにはさまざまな事業に協力してくださる会員を増やすことが必要です。しかし、過去には最高で1万1000会員(1994年)の時もあったのですが、当時と比べ会費が倍近くになったこともあり、会員数は減少傾向にありました。
 私が委員長となって会員増強委員会を組織し、2010年10月末までに1万会員を目標にしています。組織率も他の政令指定都市並みの21%にまで引き上げたいと思います。(詳細はふくおか経済2008年8月号に掲載)

■5月は既存店で2カ月連続12・4%の増加
九州内のコンビニエンス・ストア    商品値上げ効果

 2008年5月の九州内コンビニエンス・ストアの販売額(速報値)は、昨年同月から22店舗増の全店ベース(3472店舗)では、586億円で前年同月比15・6%増だった。過去1年間の新規出店と閉店を除く既存店ベースでは同12・4%増と2カ月連続で増加となった。
 九州内のコンビニエンス・ストア(九州、沖縄で直営やFC、VCなどの形態に関係なく、500店舗以上を展開するコンビニエンス・ストアチェーン企業本部を対象にしたもの)の販売額は、「全店」では昨年同月から22店舗増加したことで同15・6%増、「既存店」では、九州全県での成人識別ICカード「タスポ」導入に伴い、タバコの売り上げが増加、また定価で商品を提供しているコンビニでは食料品原料の価格高騰に伴う商品単価の値上げが適用しやすいことから同12・4%増となった。
 なお、全国の販売額は「全店」が同5・1%増、「既存店」が3・5%増で売上高は6553億円となった。店舗数は前月から、52店舗増の4万474店舗となっている。(速報値の数値は、データの追加・修正などにより異なる)