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ベア月額7千円、初の満額回答へ 安川電機
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週刊経済2023年5月2日、9日合併号
初任給は要求を上回る引き上げに
㈱安川電機(北九州市八幡西区黒崎城石、小川昌寛社長)は、今期から労働組合が要求した月額7千円のベースアップ(ベア)を満額回答したほか、初任給についても組合要求を上回る引き上げで組合側と妥結、賃上げの流れを加速させている。
同社はこれまで9年連続でベアを実施してきたが、今回は1998年にベア要求方式に以降して以来、初めての満額回答。内訳は5千円をベア相当分とし、2千円は「カフェテリアプラン」として法定外福利厚生に充てる。その結果、2万4千円は管理職を含めた全社員にとって純増となる。
人事労務改革部の高松雄太部長は「足元のインフレも考慮しながら、中長期的な観点での会社の成長と、生み出した利益の適切な配分による“人への投資の好循環”ができあがりつつある」とベアの実施状況について説明した。また、会社側と交渉に臨んだ安川電機労働組合の大賀史郎中央書記長は「7千円のうち、2千円をカフェテリアプランとして充てられたことは物価上昇による生活の負担増を考慮したもの。インフレで生活が圧迫される中では非常にありがたい」と高く評価した。
初任給の引き上げでは、組合側は一律5千円を要求していたが、高卒が7千円増の18万円、大卒が2年連続で1万円増の23万7千円だった一方、高専卒は1万5千円増の21万1千円と大幅な引き上げとなった。高専卒の大幅引き上げについて、高松部長は、台湾の世界的半導体メーカー・TSMC(台湾電路積体製造)が熊本県に大型工場を建設しており、技術系人材の確保が困難を極めることを想定したもので、「初任給の引き上げによって、より優位な状況下で人材を確保していきたい」と狙いを説明した。