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バイオ産業振興の新体制発足 福岡バイオコミュニティ推進会議


週刊経済2022年7月20日発行

会長に西村慶介キリンHD副社長

福岡県(服部誠太郎知事)は7月8日、ホテルニュープラザ久留米(久留米市六ツ門町)で「福岡県バイオコミュニティ推進会議」設立総会を開いた。
県は2001年、産学官で構成する「福岡県バイオ産業拠点推進会議(事務局・㈱久留米リサーチ・パーク)」を設立、久留米市と連携して同地域を中心としたバイオ関連企業や研究機関の集積を目指す「福岡バイオバレープロジェクト」を進めてきた。創薬、バイオツール、機能性食品などの研究開発促進やベンチャー企業の育成に取り組んできた実績が評価され、昨年6月には国がバイオ戦略のもと取り組みを支援する全国4カ所の地域拠点「地域バイオコミュニティ」に西日本で唯一採択された。これを受けて、同日付で福岡県バイオ産業拠点推進会議から「福岡バイオコミュニティ推進会議」に名称を変更。これまでの取り組みに加え、波及効果が見込まれる研究開発などを支援し、コミュニティの中核となり得る企業の成長加速を図る「リーディングプロジェクト」、県内の大学や研究機関との連携を強化し、新技術を活用した共同開発を支援する「プラットフォーム事業」、早期の社会実装を支援するため、投資家向けのピッチコンテストなどの機会を設ける「アクセラレーションプログラム」を実施し、コミュニティ形成を図る。会長には、キリンホールディングス㈱の西村慶介代表取締役副社長が就任。副会長には久留米大学の永田見生理事長、九州大学の福田晋理事・副学長が就いたほか、特別顧問には九州経済産業局の苗村公嗣局長、服部知事、原口新五久留米市長が就いた。6月時点の会員数は707会員で、推進会議の目的に賛同する企業、大学、行政、個人で構成する。
西村会長は「福岡バイオバレープロジェクト発足当初は30社ほどだった県内の関連企業は200社を超え、企業集積が順調に進んでいる。新たなステージを進める母体として、国内有数のバイオコミュニティをつくっていきたい」とあいさつ、服部知事は「多くのバイオベンチャーが起業し、コミュニティの中で成長するエコシステムを構築することで、県内のバイオ関連企業の競争力をさらに高めていきたい」、久留米市の原口市長は「本市には約50社のバイオ関連企業が集積し、国内外の市場で有望なバイオベンチャーを輩出している。バイオ関連産業がますます重要な役割を果たす中で、市としても力強く支援していきたい」と意気込みを語った。