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ナノ構造制御型次世代光触媒技術の実証実験 九州工業大学とステーションホテル小倉


産学・地域連携として

国立大学法人九州工業大学(北九州市、尾家祐二学長)とJR九州ステーションホテル小倉㈱(北九州市小倉北区浅野1丁目、黒木俊彦社長)は10月5日、産学・地域の取り組みとして「ナノ構造制御型次世代光触媒技術」の実証実験を開始した。
室内用光触媒コーティング剤「Dr・OHNO(ドクターオウノ)」をホテル客室、会議室、レストランの個室に塗布し、効果測定するもの。「Dr・OHNO」は国立九州工業大学大学院工学研究院の横野照尚教授が、紫外線を必要とするため屋外使用に限定されてきた光触媒の特性を研究し、室内照明でも高い性能を発揮する可視光応答型酸化チタンナノ素材を開発したことで商品化。天井や壁面などに塗膜するもので、蛍光灯やLED照明に反応する可視光応答型酸化チタンナノ素材と、その素材を定着させるための高い柔軟伸縮性を持った特殊樹脂を配合している。アルコールなどの消毒剤は即効性の一方で一時的な除菌効果であることに対して、一度塗膜すれば拭き取らない限り効果が継続するという特長を持つという。
横野教授の研究チームが実施した試験では、同製品を壁面に塗膜し、蛍光灯下で8時間を経過させると、黄色ブドウ球菌100万個が10個以下に激減。同じくアオカビに関しても4万個が10個以下に激減するという結果が出ている。ウイルスの不活性化効果もあり、横野教授は「新型コロナへの効果も外部機関に依頼中。40ルクスというカラオケやバーなどの暗い照明にも対応できる」と話している。

2020年10月27日発行