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シンガポール、台湾の企業2社が進出 TEAM FUKUOKA


週刊経済2022年9月21日発行

関連企業の誘致は計14社に

福岡市への国際金融機能誘致を目指す産学官連携組織・TEAM FUKUOKA(倉富純男会長=九州経済連合会会長)は9月12日、福岡市中央区渡辺通1丁目のホテルニューオータニ博多で総会を開き、新たにシンガポール、台湾の企業2社が福岡に進出すると発表した。2社の進出で、関連企業の誘致は計14社に達した。
今回、進出を発表したのは、シンガポールのフィンテック企業・M―DAQ(=エムダック=リチャード・コーCEO)と台湾の玉山(イイサン)銀行の2社。M―DAQは21年の取引総額が日本円で1兆円の実績を誇る東南アジアの独立系フィンテックグループ。両替レートを保証した自社のアプリ上で決済ができるシステムを開発しており、福岡でも訪日外国人観光客が利用できる環境整備を目指す。玉山銀行は、台北に本社を置き、日本や米国、オーストラリア、東南アジアなど10の国と地域に拠点を置く金融機関で、日本には2017年10月に東京支店を開設。20年3月にりそなホールディングス傘下のりそな銀行、22年1月には同傘下の埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行と業務提携に関する覚書を締結、今年7月には熊本県菊陽町にTSMC(台湾積体電路製造)が新工場を建設することから、九州フィナンシャルグループ傘下の鹿児島銀行、肥後銀行とMOUを締結。東京に次ぎ国内2番目の拠点として福岡市内に支店を開設するという。両社とも具体的な進出時期については現段階で未定。
総会終了後の記者会見で、M―DAQのリチャードコーCEOは「福岡はインフラ環境にも恵まれ、スタートアップのコミュニティもしっかり形成されている。訪日外国人環境客がスムーズに決済ができるサービス環境を整えるほか、福岡証券取引所の機能強化についてもお手伝いができるよう頑張っていきたい」、玉山銀行の林國維(リム・コクイ)日本代表は「TSMCが熊本に新工場建設に伴う金融ニーズの発掘に努めていきたい」とそれぞれ意気込みを述べた。
倉富純男会長は「官民がチーム福岡として一体となった活動の結果、計14社の進出が決定している。外資系金融機関と人材の誘致は九州全体の新たな成長にもつながる。九州経済の成長エンジンとなれるような活動を展開していきたい」と述べた。