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コロナ5類移行で宿泊、宴会ともに回復傾向に ホテルオークラ福岡・杉山社長


週刊経済2024年1月30日発行号

今期売上高は約50億円の見込み

㈱ホテルオークラ福岡(福岡市博多区下川端町)の杉山良太社長は、ふくおか経済2月号表紙インタビューに応じ、ホテルを取り巻く環境について、「昨年5月の5類移行後、宿泊、宴会ともに回復傾向にある」とした上で、「今期の見通しは約50億円を見込んでいる」などと話した。同社は今年3月で創業25年を迎える。主なやり取りは次の通り。
―昨年5月にコロナの類型が2類から5類に移行した。ホテルを取り巻く環境は。
杉山 お陰さまで良い方向に流れている。宿泊は政府主導の宿泊支援より回復は早かったと思う。福岡では昨年、世界水泳や博多山笠など大型イベントが開催されたこと、加えてインバウンド需要が回復したことが非常に大きかった。インバウンドについては韓国、台湾、香港、東南アジアからの利用が多く、当初の予想以上に収益の改善が図れたことが大きな弾みとなった。当社の場合、他社に比べて、インバウンドの比率が2割にとどまっており、差がある。今後、インバウンド需要を一層喚起することで、3割まで引き上げていきたい。国内については、会員プログラム「ワンハーモニー」が比較的安定している状況。グループの中でも会員利用はトップクラスを誇っている。
宴会については、5類移行前の昨年春くらいから、なんとなく回復基調に向かい、秋以降はコロナ前とほぼ変わらない状況まで回復している。
―今期の売上高はどれくらいになりそうか。
杉山 約50億円を見込んでいる。前期は38億8700万円だったので、前期に比べると約3割増収となる。今期については、もともと予算ベースで49億円を見込んでいたが、限りなく50億円に近い数字で落ち着くと思う。コロナ禍で経営体制がスリム化し、利益を出せる体制になっている。コロナ前を指標としていた60億円に達しなくても、ある程度の利益は確保できそうだ。
―9月に創業25年を迎える。どう受け止めているか。
杉山 多くの皆さまに支えられながら、25年を迎えることができた。心から感謝の気持ちでいっぱい。25周年を迎えるが、「まだまだ25年」という感想を持っている。福岡市内にはフルサービスを提供するシティーホテルがいくつもあり、先輩格にあたる各社に比べると当社は新参者。次の50年、100年を見据え、お客さま、地域の皆さまに愛され続けるホテルを目指していきたい。