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コロナ禍の自粛の影響で減収減益 南陽
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週刊経済2021年5月25日発行
売上高は5・6%減の324億円
福岡市博多区博多駅前3丁目の機械商社・㈱南陽(武内英一郎社長)の2021年3月期連結決算は、売上高が前期比5・6%減の324億600万円、経常利益が同6・2%減の20億4600万円となった。
営業利益は同12%減の18億6200万円、当期純利益は同4・2%減の13億2900万円。建設機械事業では熊本地区を中心に発生した令和2年7月豪雨の復旧工事が本格化したが、新型コロナウイルスの流行で先行き不透明なことからレンタル志向の高まりが見られた一方で、設備投資抑制の動きが継続。こうした状況下で、販売部門では既存取引先の需要掘り起こしと高付加価値商品の開拓と拡販に努めた。レンタル部門では災害復旧工事や国土強靭化などで高まっている地域への設備強化を実施し、需要の取り込みに注力した。この結果、売上高は同0・2%増の129億4500万円となったが、高付加価値商品の販売が営業自粛の影響を受けたことなどで、セグメント利益は同11・8%減の13億4700万円となった。
産業機器事業では、新型コロナウイルスの流行に伴う活動自粛の影響を受けるとともに、先行きの不透明感から一部の業界では設備投資に慎重な姿勢が続いているものの、経済活動の再開以降は各業界の半導体不足で半導体メーカーで設備投資が活発化。中国市場ではロボット需要が回復基調となった。こうした状況下で新商品の開拓と提案営業の強化を努めるとともに、継続して生産部品や消耗部品の拡販にも努めた。しかし、全体的な投資マインドの回復には至らず、売上高は同9・3%減の189億7200万円、セグメント利益は同9・5%減の9億4100万円にとどまった。
砕石事業では護岸工事など公共工事の受注強化と鉄道関係をはじめとした民間企業への営業強化による中小規模の工事受注獲得に努めた。また、継続して製造コストの価格転嫁に向けて販売単価の交渉にも努めた結果、売上高は同2・4%増の4億8800万円、セグメント利益は約2・42倍の6千万円となった。
今期の見込みは、売上高が前期比4・9%増の340億円、経常利益が同7・5%増の22億円。営業利益は同12・7%増の21億円、純利益は同5・3%増の14億円を見込んでいる。