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コロナ禍、全社員で危機乗り越える  スターフライヤー・白水社長


東京線中心に復便傾向へ

6月25日付で就任した㈱スターフライヤー(北九州市小倉南区空港新町)の白水政治社長は7月14日、本誌インタビューに応じ、就任の抱負やコロナ収束後を見据えた成長戦略などを聞いた。
―就任の抱負について。
白水 新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の危機に直面することになった。今期(2021年3月期)第1四半期が終わろうとしているが、この危機的状況を乗り越えることが私の使命。社員とともに危機を乗り越えていきたい。
―コロナの影響は。
白水 7月末に今期第1四半期の業績を発表するが、厳しい状況であることに変わりはない。影響は3月から徐々に出始め、4月以降、全路線で減便・運休による間引きを実施してきた。一番の底は5月。11往復22便の北九州―東京線、8往復16便の福岡―東京線は1往復2便を運航させるのがやっと。それでも満席にすることが難しかった。メインとなる主要路線が最悪の状況だったことは業績に大きな影響を及ぼした。
―6月以降、復便の傾向が見られている。
白水 感染者数が減少したことなどを踏まえ、3往復6便まで回復させた。政府による都道府県をまたぐ外出自粛要請が解除された6月19日以降、需要は戻り始めてきた。7月もこの傾向が続くことを踏まえ、北九州―東京線を6往復12便~8往復16便まで回復させ、福岡―東京線については従来の8往復16便まで戻した。しかしながら、東京都内の感染者数が200人を超えて以降、戻り始めた需要は鈍化し、足踏みが続いている状況。ここを何とか乗り越えていきたい。現在、STARFLYER Clean and Hospitalityというキャッチフレーズのもと、機内で安全性をアピールした動画を配信するなど、お客さまの不安解消に努めている。安心してご利用いただきたい。
―就任初日、小倉駅前でPR活動を実施した。
白水 役員会と株主総会を実施するにあたり、「私を含め、全役員がそろっているからPR活動をやりましょう」と提案し、了承をいただいた。7月以降の復便をPRするチラシ1千枚を通行する人たちに配布、地元の方々からの応援を訴えた。
―反応は。
白水 「頑張ってくださいね」、「いつも乗っていますよ」という言葉をいただいた。地元の人が温かい目で見ていただいていることを肌で感じることができ、お客さまと直接触れ合うことの大切さを実感した。それ以降、毎週金曜日と土曜日に実施している。それから8月から運休していた北九州―那覇線を復便する。国の「Go toキャンペーン」が始まることもあり、夏休み期間中の需要喚起につなげていきたい。
―アフターコロナを見据えた成長戦略について。
白水 すでに策定した成長戦略は基本的に変わらない。先日、社員に私が目指すスターフライヤーの目標として、「世界で一番を目指そう」と話した。機材数や路線数で世界一を目指すことではない。企業理念である「感動するエアライン」として、世界一を目指したい。それが結果的に地元・北九州のお客さまからも強い支持をいただけるものと確信している。小倉祇園太鼓と同じように愛され続ける存在でありたい。
白水社長は春日市出身。1957(昭和32)年2月1日生まれの63歳。筑紫丘高校―西南学院大学法学部卒。80年4月全日本空輸㈱入社。福岡支店副支店長などを経て、12年4月執行役員大阪支店長、西地区担当兼ANAセールス㈱取締役、14年4月上席執行役員営業センター長兼ANAセールス㈱社長。16年4月ANAスカイビルサービス㈱社長、会長、顧問を経て20年4月㈱スターフライヤー顧問、6月から現職。趣味はウォーキングなど。

2020年8月4日発行