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コロナ前の手続き先送りで件数は13件  帝国データバンク福岡支店


県企業倒産集計5月

帝国データバンク福岡支店(福岡市中央区舞鶴)がまとめた5月の福岡県企業倒産件数は、前年同月比55・2%減(16件減)の13件と2014年2月(15件、同54・5%減)を超える過去最大の減少幅となった。
新型コロナの影響を受けて弁護士事務所や各裁判所において在宅勤務を余儀なくされたことに伴い、破産手続きが先送りされたことが全体の件数を押し下げた。負債総額は、小規模倒産が主体となったことで前年同月比16・2%減の14億3200万円と、3カ月連続で前年同月を下回った。
業種別では小売業(4件、構成比30・8%)が最多となった。前年同月との比較では、卸売業(2件、同15・4%)、運輸・通信業(2件、同15・4%)で増加した一方、小売業やサービス業(3件、同23・1%)など5業種で減少した。「新型コロナ関連倒産」は、累計で4件となった。地域別では、福岡地区が前年同月比75・0%減の4件、北九州・筑豊地区が同16・7%増の7件、筑後地区が同71・4%減の2件となった。
6月1日、福岡県は北九州市を除く全ての地域で不要不急の外出自粛要請と休業要請を解除し、徐々に人の流れや経済活動が回復しつつある。緊急事態宣言期間中の破産手続き処理の遅れから、当月は倒産件数が著しく減少したものの、弁護士事務所や裁判所の活動が正常に戻れば手続きが先送りされていた案件も表面化するため、今後の倒産件数は確実に増えるものと推測される。

2020年7月7日発行