NEWS

  • 地域

クレーン電動化でCO2削減の実証実験  博多港ふ頭    4月1日から


 博多港を管理する市の外郭団体・博多港ふ頭株式会社(福岡市東区香椎浜ふ頭4丁目、江頭和彦社長)は、4月1日から、アイランドシティのコンテナターミナル(CT)内のクレーンを電動化し、CO2排出削減を目指す実証実験を開始する。電動化、新規クレーン導入を含めた総事業費は20億円。
 国土交通省の低炭素型社会に向けた港湾整備事業の一環で、CT内のコンテナを積み下すトランスファークレーン13基を電動化することでCO2排出を削減するもの。工事はクレーンとコンテナを置くヤードが対象で完了時期は12月。その後、11年1月からCO2の排出量のデータを収集する。また、12月までに電動化済みの新型クレーンを新たに4基設置し、CT内のクレーン総数は17基となる。事業費は国から補助を受け、内訳は1基の改造費が約3000万円、新型購入費は約1億8000万円(1基)。残りの約9億円はヤード内に敷く電線設備の工事費や人件費に使用する。実験期間は1年間で、終了後は同社と福岡市が同省から買い取る。現在使用しているクレーンは軽油を燃料とし、排出するCO2は人工島全体の約半分。同社によると、軽油を使用した場合よりもCO2の年間排出量(17基分)は2816トンから674トンへ約8割の削減が期待できるという。同社総務部経営計画課の吉安真一課長代理は「国内初の取り組みなので、各方面からの注目度は高い。排出削減8割を達成すれば、荷主に対して環境面での優位性を宣伝できるので、今後のコンテナ取扱量の増加につなげたい」と話している。同CTでは、1月にC2バース(第2岸壁)のバックヤードが350メートル地点まで拡張、コンテナ蔵置能力は6464TEU増の1万8720TEUに増加した。