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カイコを使った自社開発製品を服部知事に報告 KAICOの大和社長


週刊経済2025年2月12日発行号

ベトナム向けのブタ用飼料など

カイコを使って医薬品やワクチン開発などを手掛けるKAICO㈱(=カイコ=福岡市西区九大新町)の大和建太社長は1月31日、福岡県庁を訪れ、服部誠太郎知事にカイコを使った自社開発製品について報告した。

今回、服部知事に報告した製品はブタ用飼料の「KAICO Powder for Pig」とサプリメント原料となる冬虫夏草「KAICOサナギタケ」の2種類。ブタ用飼料は、遺伝子ゲノムを挿入したバキュロウイルスをカイコに感染させ、体内でタンパク質を作る技術を活用、ブタの免疫力維持をサポートする成分をカイコの体内に生成させ、粉砕化した飼料。パウダー1キロで2千頭分に対応でき、ベトナムでブタ用飼料添加物として認可され、昨年10月から販売している。冬虫夏草はカイコを用いたサナギダケで、ダイエットなどに有効とされ、2月末からサプリメントの原料メーカーに出荷するという。報告会では大和社長がカイコを用いた技術によって製品化した経緯などを説明、服部知事は「カイコを使ったいずれの商品もビジネスとして発展する可能性がとても高い。県が取り組むワンヘルスの観点からも今後の活躍を大いに期待したい」と話した。

同社は九州大学発ベンチャーとして2018年4月に設立。資本金は9千万円。久留米市百年公園の久留米リサーチ・パークにラボを置いている。バイオ産業の振興に取り組む県では、ブタ用飼料の製品化を支援していた。