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アイランドシティ完売、収支改善し150億円の黒字に 福岡市


週刊経済2022年9月6日発行

港湾地区2・7haを西鉄代表のグループに

福岡市は8月26日、アイランドシティみなとづくりエリアで最後となる分譲地の分譲予定者が決定し、まちづくりエリアを含むアイランドシティの分譲地全てが完売に至ったと発表した。
最後の分譲地となった約2・7haは、西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前3丁目、林田浩一社長)を代表とするグループ(2社)への分譲を決定。
用地はアイランドシティ「みなとづくりエリア」(同市東区みなと香椎3丁目)内、福岡市中央卸売市場青果市場(ベジフルスタジアム)の西側最奥で、今後は基盤整備の進捗に合わせて2026年度中に土地売買契約を締結し、土地処分議案を福岡市議会に提出して議決を得た後、土地を引き渡す予定。購入するのは西日本鉄道と日本鉄道貨物㈱(東京都渋谷区、犬飼新社長)の企業グループで、面積は2万6569㎡、分譲価格は62億2878万円(分譲単価23万4438円/㎡)。計画では倉庫・配送センター用地として、6階建て倉庫(延べ床面積7万9045㎡)を建設。2029年4月の操業開始を予定している。
これにより、まちづくりエリアを含む、約400haに及ぶ全ての用地の用途が決定したことになる。アイランドシティ整備事業の事業収支は、2012年時点の試算では全て売却しても約160億円の赤字になる見通しだったが、福岡都市圏の地価高騰や、それに伴う分譲収入の増加などで収支が約310億円改善し、約150億円の黒字となる見通しが立った。
アイランドシティは港湾機能の強化や快適な都市空間の整備を目的とした人工島の整備計画で、94年から整備を開始。03年に港湾エリアの「みなとづくりエリア」(約209ha)の国際コンテナターミナルが供用を開始し、05年には住居エリアの「まちづくりエリア」がまちびらき。以降、整備の進展に合わせて段階的に用地の売却を進めてきた。現在の人口は約1万3700人。市のこども病院、総合体育館、青果市場などが新築移転したほか、民間事業者の進出も相次ぎ、事業所数も約280カ所にまで拡大。最新鋭のコンテナターミナルなどを備える市の物流要衝であるとともに、高さ150mを超える九州最高峰のタワーマンションが相次ぎ建設される人気の住宅地にもなっている。