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アイランドシティの新物流センターが稼働 イオングループ3社とCJPT
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週刊経済2024年7月31日発行号
国内初の遠隔操作システムなど導入
イオン㈱(千葉市美浜区、井出武美社長)、イオン九州㈱(福岡市博多区、中川伊正社長)、イオングローバルSCM㈱(手塚大輔社長)などイオングループ3社と、CJPT㈱(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ=東京都文京区、中嶋裕樹社長)は7月24日、福岡市東区のアイランドシティで整備を進めてきた新物流センター・イオン福岡XDを本格稼働させた。
福岡XDは、東京建物が今年4月に完成させたT―LOGI福岡アイランドシティ1階と2階に展開するもので、貸借面積は4万1335㎡。2021年4月から4社共同で作業員の負担軽減や人手不足などの物流課題の解決、カーボンニュートラルの両立を目指す取り組みのフェーズ3として稼働した。センター内では、TPS(トヨタ生産方式)思想を取り入れた作業員の負担軽減や作業の効率化が取り入れられたほか、パレット自動倉庫やデパレアームロボットなど自動化設備、国内では初めてAI(人工知能)を活用した遠隔操作による次世代型自動搬送機、フォークリフトなど作業の自動化が図られた。そのほか、トヨタ自動車㈱が開発したコネクティッド技術による最適配送計画システム・E―TOSSの導入により、各店舗への配送ルートの効率化、県の燃料電池トラック導入補助金を活用し、FCV(水素燃料)トラックなども導入された。これにより、2030年までに二酸化炭素の排出量35%の削減、生産性30%増を目指す。
22日、報道関係者を対象にした内覧会では、イオン㈱執行役でイオングローバルSCM社長を務める手塚執行役は「福岡XDの取り組みで物流課題の解決とカーボンニュートラルの両立を目指すモデルケースとして全国に広げたい」、イオン九州㈱前社長の柴田祐司取締役相談役は、2012年からトライアルホールディングスなどと九州物流研究会を発足させ、企業の垣根を超えた課題解決に取り組んできた事例などを踏まえ、「最新の機能を最大限発揮していきたい」と目標実現に強い意欲を示した。また、CJPTの中嶋社長は「イオンとの協業は物流の効率化とカーボンニュートラルを両立させる“道場”として参加した。TPS思想により作業員の負担軽減、自動化による作業効率化、コネクティッド技術を活用した最適ルートの効率化などを着実に進め、次世代における物流のモデルを構築していきたい」と話した。