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アイランドシティにバス営業所新設 西日本鉄道


バス便数4割増に

西日本鉄道㈱(福岡市博多区博多駅前、倉富純男社長)は3月16日、アイランドシティまちづくりエリアの複合開発地区(福岡市東区香椎照葉5丁目)に、バス営業所の「アイランドシティ自動車営業所」を開設した。
福岡都市圏東部エリアの新宮自動車営業所と香椎浜営業所を統合して新設した交通拠点で、場所は同社が分譲マンションやシニアマンション、商業施設などの複合開発を手掛けるエリア内。増加するアイランドシティへの交通需要対応を目的としており、バス便数は従来から約4割増便する。営業所敷地面積は約1ヘクタールで、バス収容台数は約110台。従来の営業所にはなかった女性乗務員向け施設やカプセルホテル式のベッドルームを新たに設けており、従業員満足度の向上を図っているという。同社では3月10日に新社屋で営業を始めた桧原営業所をはじめ、全営業所ベースでこうした改修に取り組んでいくという。
来年8月までに複合開発のエリア内にバス専用ロータリーを設ける計画があるほか、同社広報は「21年3月にアイランドシティへの開通が予定される『福岡都市高速6号線』を見据えた新路線の開設も検討している」と話している。

AI活用「乗り合いバス」の実証開始へ

また、同社と三菱商事㈱(東京都千代田区、垣内威彦社長)は4月下旬から、アイランドシティを中心としたAI活用の乗り合いバス、「オンデマンドバス」の実証実験を開始する。これに合わせ、両社の合弁で運用会社・ネクストモビリティ(福岡市、東欣哉社長)を設立した。
サービスの特徴は、「ダイヤ」を設けないコミュニティバス。利用者が専用アプリで乗りたい場所や行きたい場所の希望を発信すると、それに応じてバスが適宜運行ルートを変更し、近くのミーティングポイント(乗降場所)まで迎えに来てくれる。利用客の要望にフレキシブルに対応するコミュニティバスという位置付けで、予約状況を鑑みた上での適切な運行ルートの設定・変更や配車の役割は、AIが担当する。予約のニーズや渋滞情報など、AIは学習を通じてより効率的なルートを導き出すようになるという。
運行ルートはアイランドシティ地区内(200円)に加え、同地区とイオンモール香椎浜間(300円)、同地区と西鉄・JR千早駅間(400円)。10人乗りマイクロバス5台を配置し、1年間の実証を通じて利用状況などのデータを蓄積し、本格運用を検討していくという。

2019年4月2日発行