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「J-StarX」海外派遣プログラムに採択 KAICO


週刊経済2023年10月17日発行号

飼料添加物を東南アジアへ

カイコを利用したタンパク質受託発現事業のKAICO㈱(福岡市西区九大新町、大和建太社長)は10月23~11月3日、11月20~24日に実施される経済産業省の起業家育成・海外派遣プログラム「J-StarX」のシンガポール・インドネシアコース参加企業として採択された。
同社は昆虫カイコを利用して生産したタンパク質による、ブタ用の経口ワクチン(注射ではなく、口から摂取することで抗体価を上げるワクチン)・飼料添加物の開発に取り組んでおり、シンガポールとインドネシアへの販売展開を考えていることから参加する。同製品により、畜産農家の負担軽減や生産性向上に寄与することが目的で、現在は経口ワクチンの薬事承認を目指しながら、まずはベトナムで今冬をめどに飼料添加物としての販売開始を目標に動いている。
今回「J-StarX」プログラムの参加により、シンガポール・インドネシア現地の市場調査を実施し、パートナー企業候補との面談で本地域との交流を深め、海外展開の加速につなげたい考え。同社は東南アジアでの展開を目指す理由について「養豚が盛んであり、ブタへの感染症が問題となっているため。まずはベトナムに注力し、その上で東南アジアでの市場性の調査を進め、拡販を目指す」と話している。
同社は2018年4月九州大学発ベンチャーとして設立。資本金は9千万円。